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09月15日-05号

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  1. 高知市議会 2017-09-15
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    平成29年第461回 9月定例会 第461回高知市議会定例会会議録第5号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第5号 平成29年9月15日(金曜日)午前10時開議第1 市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算 市第 95号 平成29年度高知市卸売市場事業特別会計補正予算 市第 96号 平成29年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第 97号 平成29年度高知市駐車場事業特別会計補正予算 市第 98号 平成29年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第 99号 平成29年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 市第100号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第101号 高知市立点字図書館条例の一部を改正する条例議案 市第102号 高知市障害者計画等推進協議会条例の一部を改正する条例議案 市第103号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案 市第104号 高知市特別用途地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案 市第105号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 市第106号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 市第107号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案 市第108号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第109号 高知市立市民図書館条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知みらい科学館条例制定議案 市第111号 高知市立学校給食センター条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市春野郷土資料館条例の一部を改正する条例議案 市第113号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案 市第114号 高知県立図書館と高知市立市民図書館の合築により整備する図書館の共通業務に係る連携協約の締結に関する議案 市第115号 高知県立図書館に係る事務の受託に関する議案 市第116号 指定避難所配備用携帯トイレ処理セット購入契約締結議案 市第117号 学校給食用食器購入契約締結議案 市第118号 学校給食用食缶類購入契約締結議案 市第119号 給食配送車購入契約締結議案 市第120号 水槽付消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第121号 (仮称)高知一宮団地の共同開発に係る団地整備業務(その2)委託契約の一部変更議案 市第122号 支払督促の申立てについて 市第123号 調停の申立てについて 市第124号 平成28年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第125号 決算の認定議案 市第126号 決算の認定議案 市第127号 決算の認定議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第94号議案から市第127号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 岡崎 邦子君3番 近森 正久君  4番 迫  哲郎君5番 深瀬 裕彦君  6番 長尾 和明君7番 氏原 嗣志君  8番 細木  良君9番 はた  愛君  10番 田鍋  剛君11番 竹内千賀子君  12番 浜田  拓君13番 下本 文雄君  14番 下元 博司君15番 岡田 泰司君  16番 岡崎  豊君17番 近藤  強君  18番 大久保尊司君19番 伊藤 弘幸君  20番 吉永 哲也君21番 浜口 卓也君  22番 寺内 憲資君23番 清水おさむ君  24番 平田 文彦君25番 川村 貞夫君  26番 西森 美和君27番 高木  妙君  28番 和田 勝美君29番 竹村 邦夫君  30番 戸田 二郎君31番 福島  明君  32番 山根 堂宏君34番 中澤はま子君  欠席議員33番 水口 晴雄君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    弘瀬  優君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  神崎  修君      健康福祉部長  村岡  晃君      こども未来部長 山川 瑞代君      環境部長    山本 正篤君      商工観光部長  松村 和明君      農林水産部長  長岡  諭君      都市建設部長  門吉 直人君      教育長     横田 寿生君      上下水道事業管理者              海治甲太郎君      防災対策部長  黒田 直稔君      消防局長    高井 祐介君      監査委員    藤原  敏君      財政課長    林   充君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   池畠 正敏君      庶務課長    前田 敦夫君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐              広松 康児君      議事調査課管理主幹              竹村 博和君      秘書係長    西成 雅江君      議事係長    中須賀広典君      調査係長    田村 章代君      書記      野々宮千夏君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(高木妙君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第94号議案から市第127号議案まで ○議長(高木妙君) 日程第1,市第94号議案から市第127号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 下本文雄議員。  〔下本文雄君登壇〕 ◆(下本文雄君) おはようございます。日本共産党の下本文雄でございます。 質問通告の順番ですが,市長の政治姿勢については最後にさせていただきたいので,御容赦をお願いしたいと思います。 まず最初に,保険医療行政,国保についてでございます。 この7月に,無料低額診療事業開始以来7年間の貴重なまとめの報告を聞く機会がありました。その内容によりますと,総数は344件,女性88名,26%,男性256名,74%,圧倒的に男性が多いこと。 受診者のほとんどは生活保護基準130%未満の収入。経済的困難で受診できず,我慢することにより病気が重症化している。 3分の1は保険があるが,窓口3割負担が払えず,無料低額診療を受診。受診後の支援で生活保護となる事例が半数近く。 国保に加入は17%。無保険にとどまる人は13%。受診後の慢性疾患通院状況は,生活保護で90%,国保は52%にとどまり,しかも中断22%に上る。3割負担は特に生活困窮者では受診抑制につながっていると述べ,最後に6つ目に,資格証明書は受診に結びつかないとまとめています。 このことからも,保険料の軽減,一部負担金の軽減は喫緊の課題であります。国保は高負担でありながら,被用者保険と比較して大きなマイナスハンディがあります。 傷病手当もなく,さらに人頭税とも言われる均等割の負担,これが生まれた赤ちゃんにまでかかってきます。こうした実態も踏まえ,市町村は基準外繰り出しも行い,軽減に努力しています。 国民健康保健法第1条に根拠のある社会保障制度であるからこそ,全国の自治体では独自減免を含め,3,800億円の法定外繰り入れを行いながら,みずからも努力し,そして国にもその改善を求めてきたものと受けとめていますが,市長に改めて見解をお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 国保につきましては,社会保険方式で半分を公費で負担し,半分を保険料でいただくということで始まりましたが,高齢社会を迎えておりまして,国保の抱える構造的な問題に対処するため,現在前期高齢者医療交付金制度に順次移行しつつありますが,退職者医療保険制度等の導入による被用者保険からの支援金制度を取り入れることや,保険者支援制度の導入などによりまして,国保の制度を何とか維持をしてまいりました。 そうした中でも,各市町村の国保運営は非常に厳しい状況に置かれており,財政力に余裕がある自治体と,またそれぞれの自治体とで格差で出てきておりまして,いわゆる独自減免につきましても自治体ごとの格差が出てきたところがございます。 今回,制度始まって以来の大改革と言われる国保制度改革によりまして,財政運営の都道府県単位化が実現をし,これに伴いまして新たな公費支援としまして,平成27年度から1,700億円,29年度から1,700億円,合わせて3,400億円の公費支援が実現をしたことは一歩前進だという認識を持っております。 しかしながら,今般の改革は,いまだ第一歩であり,国保の抱える高齢者が多いことや低所得者が多いことなど,世帯当たりの所得も低いという国保の抱える構造上の問題の根本的な解決はなされていないため,財政運営の都道府県化の次に,国保制度の持続可能性を高める財政支援をさらに国に対して強く要請をしていかなければならないと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 確かに国保は構造的問題が非常に大きい課題を抱えています。 構造的問題の解決については,公費投入なくして解決はないというふうに思います。3,400億円の投入と言いますが,全国市長会は1兆円を要求したこともあります。 そのことも記憶に新しいところですが,ぜひとも今後公費投入について力を尽くしていただきたいと思います。 全国的に重要な課題となっている少子化問題ですが,我が会派は横浜市にも直接出向いてお話を伺いました。 子供がいる世帯への減免は,16歳未満の場合,1人につき33万円の控除,16歳以上19歳まで1人につき12万円,正規保険証は2年間,短期保険証は1年間でとめ置きなしと。資格証は,2013年加入世帯55万件のうち2万7,000件余りから2016年,昨年10月からゼロ件として,さらにこの3年間,収納率も3%近く引き上げております。 一般会計からの基準外の繰り入れについては,高知市においても地方単独波及分のペナルティーについては同様であり,国の理不尽な施策への対応を市町村が受けとめざるを得ないものであります。 これは,何よりも国保保険料が高くならないよう抑えなければならない状態への施策として実施されているものでもあろうかと思います。 県単位化が進む中でこうした一般会計からの基準外繰り出しについては,市町村が全て負担するのではなく,県も保険料引き下げのための努力をすべきものと考えます。 県に対しても国保への一般会計からの繰り入れを求める考えはありませんか。 その際,国と地方の間でも検討課題となっている多子世帯の均等割については,少子化対策に逆行しているものでもあり,その軽減のため県費を投入することは道理ある提案だと思いますが,その見解についても伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,御指摘の多子世帯の均等割の軽減などの対処につきましては,段々この本会議場でも御指摘また御提言を受けております。 少子化が進展し,また高齢化が進んでおりますので,現役世代の負担が限界にあることなど,国保の持続可能性を確保するためにも,全国的な課題でございますので,基本的には国の責任において,いわゆる地単カット分の廃止も含めて制度改革の中で,国の制度として平等に取り扱うべきことだと考えております。 今回の国保制度改革の議論の中で,地方からの強い要望もありまして,地単カットですけれども,このうち就学前児童の医療費の助成をしている部分のカット分については,来年度から一部やっと見直しがされるようになりまして,1つ風穴があいたということでございますが,まだまだ額的には少額でございますので,これをさらに廃止を拡大していかなければならないと考えております。 また,均等割の軽減について,都道府県化になりますので,繰り入れを県に求めてはという御要望ですけれども,今回の国保制度改革に当たりまして都道府県の役割としましては,納付金算定の考え方や保険料率の設定,今後の市町村の事務の標準化などの方向性を定めた国保の運営方針の策定をします。 その中には各市町村に対して法定外繰り入れ等による赤字の解消に向けた年次計画を県が指導してつくらすということも入っております。 現時点では保険料の軽減のための法定外の繰り入れについては,国も一定の方針のもとで解消すべき課題ということになっておりますので,解消計画を策定すべき立場,またそれを指導する立場にある都道府県に対して独自に一般会計の繰り入れを行うよう求めることは少し無理があると考えております。 基本的には,やはり国の責任において全国一律的,統一的な制度として設定をされるべきだという認識ですので,この点は全国の国保の会長として国に対しても強く求めてまいりたいと思います。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 国の責任であることは間違いありませんけれども,地方自治体が全てその責任を負うと,市町村が,これはやはり理不尽な中身ではないかというふうに思います。 実質障害者医療等を初め県の責任を負う部分が大きいというふうに思いますし,その点では要求していくと,要望していくということについては,これはやはり正当な理由があろうかというふうに思います。 今,高知市では18歳以下が7,000人程度おられるということで,全額免除したとして1億4,000万円というふうに答弁がこの間あっておりますけれども,ぜひ軽減に向けて努力をしていただきたいというふうに思います。 続いて,資格証明書について伺います。 1,000件を超える高どまりが続いており,随分と気になるところでもあり,幾つかお聞きをします。 2010年に国民健康保険法が改正をされております。それによると,資格証の発行は文書だけではなく,電話督促や戸別訪問等で接触を図り,実態把握により,特別な事情の有無の把握を適切に行うこと。その際,保険料の減免制度や生活保護,多重債務等の相談窓口を周知すること。 また,そうした環境整備に努めること。当該世帯が医療費の一時払いが困難である申し出を行うと,特別な事情に準じ,短期保険証を発行すること。高校生以下は6カ月の短期保険証を発行すること等,つまり資格証の発行は,発行する以前に医療機関窓口で10割につながることを十分に説明し,理解を得ることが必要であり,かつ滞納せざるを得ない特別な事情を行政側が十分調査する必要があること等の内容だと思います。 厚生労働省のこの通知,平成20年10月30日付,資格証の交付に際しての留意点について及び12月26日付国民健康保険法の一部を改正する法律の施行については,先ほど述べたような内容のものだと思いますが,部長に確認をいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 基本的にこの通知,それから政令の改正等につきましては,御指摘のとおりだと考えております。ただ,一部御質問の中には,市町村の判断で行うことのできるいわゆるできる規定もありますので,その点については少し判断が分かれるところかと思っております。 通知の中では,可能な限り,文書だけではなく他の方法も用い,滞納者との接触を図り,滞納が継続すれば資格証明書の交付を行うこととなる旨も示されておりますので,国保財政の健全な運営を確保するための貴重な手段としての位置づけということも明確にされているものと理解はしております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) できる規定があることも承知をしております。 資格証の発行について,課内での検討や滞納者措置審査会などを設置している自治体もあるようですが,高知市では資格証発行の判断は誰がどのように決定しているのか伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 資格証明書の交付に至るまでには,督促状や催告書の送付,短期被保険者証の交付なども行い,資格証明書に切りかえる前には事前に被保険者資格証明書交付予告書及び弁明の機会の付与通知書を送付しております。 あわせて特別の事情に係る届け出書と弁明書の用紙も添付をして注意喚起をするとともに,来所など御連絡をいただきますようお願いをしているところです。 このように,文書による連絡を行うとともに,国保推進員等による家庭訪問を通じて生活の状況を把握し,また収入状況の把握などをもとに納付交渉を行った上で,納付相談に応じていただけない場合や納付の約束を守っていただけない場合など,担当職員が交渉した経過を踏まえて,やむを得ないと判断したケースに対しまして保険医療課長の文書決裁の上で決定をしております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。
    ◆(下本文雄君) 決定は課内で,結果的には担当者と担当課の責任者の判断で発行すると,状況を押さえてということですね。 けがや持病がある,あるいは糖尿病等慢性疾患への対応について,特別の事情は重要でありますが,資格証発行時,どのように判断をされているのか。 資格証交付予告者には特別の事情を明らかにする書類その他の資料の添付を願うと書いてありますが,どのような証明書類を求めているのか。医師や医療機関への問い合わせはなされているのか伺います。 また,診断書の提出を求めるケースもあるのでしょうか,あわせて伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御指摘のように,特別の事情には,世帯主またはその者と生計を一にする親族が病気にかかり,または負傷した場合などで保険料を納付できないと認められる事情があることとされておりまして,その判断に際しましては,納付相談時に滞納者に聞き取り調査を実施しております。 聞き取り調査ができない場合には,先ほど申し上げました文書の送付により,特別の事情に係る届け出書に記入をしていただくとともに,病院発行の領収書や医薬品購入時の領収書,特定健康診査の結果など,客観的に事実を確認できる資料の提出を求めておりますので,医師や医療機関への問い合わせは特に実施はしておりません。 また,診断書については,発行にもお金がかかりますので,現在求めているケースはございません。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 領収書等で確認ということで,厳しい生活の方もおられるというふうに思います。精神的にも物理的にも負担がないような形での確認という方法でやっていただきたいというふうに思います。 次に,緊急時の短期保険証の発行の件について伺います。 平成20年参議院決算委員会の議事録によると,我が党の仁比聡平参議院議員が病気の事例を挙げながら,資格証の被保険者に半額払ってくれないと短期保険証は出せませんという行政側の対応についてただしております。 10月30日,通知の留意書,特別の事情把握の決定にある緊急対応として速やかな短期証の交付についての説明を求めたのに対し,政府参考人は,今回の対応につきましては,申し出があれば出すという趣旨であり,半分払うということではないと答弁していること。 また,申し出について,医療の必要性あるいは一時払いが困難であるというこの2点の申し出があればよいかという質問に対し,当時の舛添要一国務大臣は,一時払いが困難であるという申し出さえあれば結構で,医療の必要性という要件は必要でありませんと答弁。 さらに,医療の必要性が生じていることを何か示す,証明する必要がないということは,裏返すと行政の窓口担当者において医療の必要性があるかないかの判断ができないということだと思うがどうかとの質問に,大臣は,それはお医者さんではないですからわかりません。申し出があれば即出すと,こういうことが趣旨ですと明確に答弁をしております。 これは子供に限らないことも,2009年1月20日に閣議決定され,通知もされています。 私は3月議会で,58歳の男性の事例として,ホテルで働いている間に麻痺が起こり,短期保険証を求め来庁した,資格証の事例を示し,特別の事情での対応をただしましたが,画一な対応は行っていない。手持ち金があるので窓口負担は支払える。一旦病院を受診して,再度相談に来ること。 再三の通知等への反応がないこと。2年以上相談も納付もないので,資格証の発行としたこと。保険料の支払いは求めなかったものの,短期保険証は発行せずということでした。 その後,本人は医療費がどれだけかかるかもわからず,生活費のこともあり,病院にすぐ行くことができず,生活支援相談センター職員の支援も受け,生活保護面談中に緊急入院ということになったケースであります。 本人の申し出があれば即出す趣旨ですから,どのように考えても国会答弁にあるような趣旨での対応とは思えません。 短期保険証を発行すべき事例と考えますが,改めて健康福祉部長に見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 平成21年1月20日付の厚生労働省保険局国民健康保険課長事務連絡,被保険者資格証明書に係る政府答弁書についてによりますと,御指摘の国会答弁の趣旨は,世帯主が市町村の窓口において被保険者が医療を受ける必要性が生じ,かつ医療費の一時払いが困難であるとの申し出を行った場合には,特別な事情に準ずる状況であると考えられることから,緊急的な対応として短期証を交付することができるとされております。 また,同通知では,この申し出に対する対応については,資格証明書の運用に係るこれまでの考え方を変更するものではなく,これまでの資格証明書関連の通知の考え方も踏まえ,短期証の交付の必要性を判断するものであることとされておりますので,御質問の事例はこの通知に基づく対応を行ったものであると考えております。 御相談を受けた時点では,御指摘のように,お話の中で医療費の支払いは手持ち金があるということで可能と判断をしたものですが,いずれにしましても窓口においては今後も丁寧な聞き取りを行い,適切な対応に心がけてまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 通知に基づいて対応したという答弁でありますけれども,2009年9月25日,厚生労働省の事務連絡にQアンドAを出しておりまして,その中には,インフルエンザにかかわって,新型インフルエンザにかかわらず,医療機関に対する医療費の一時払いが困難な申し出があれば,特別の事情に準ずるとして緊急的な対応で短期保険証を交付することは差し支えないとしております。 これは部長にもお渡ししてある資料に書いてあるとおりでございますが,この事例も,発行しても差し支えがない事例だと私は思います。 発行して何か差し支えがあるのかどうか。あれば,どういう差し支えがあるのかをお示しください。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 医療の必要性があれば短期保険証については発行できるというふうになっておりますので,特に差し支えがあるというものではございません。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 差し支えがあるかないかを御質問しているのです。どういう差し支えがあったのかという具体的な例を,もう一度。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 先ほど御答弁申し上げましたように,今回の事例につきましては,窓口での支払い能力があるというふうに判断をしたものですので,支払い能力があれば短期保険証ではなく資格証明書のままで継続をして,医療機関に受診をしていただくという趣旨で対応したものでございます。 そういった意味での差し支えがあったということではございません。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 最後に,差し支えがあったことではございませんという話がありますが,さまざまあったとしても,命にまさる理由はあり得ないと思います。 若干の手持ち金があっても,自分の病気が何か,入院が必要かもしれない,幾らかかるかの判断はつかない,だから申し出ていると。短期保険証発行にしても差し支えはないはずなのです。 では,出さない理由として考えられるのは一体何なのかということにやはりなるわけです。 それは保険料を素直に払ってこなかった懲らしめ,罰則としか思えないのです。だから,資格証のままにしておく,こういうことになっているのではないか。また,そうせざるを得ないような現場の実情があるのではないかと私は考えるわけであります。 ここで市長に1つだけ確認をします。資格証を発行する理由は,懲らしめや厳罰ではないということですね。それと,接触の機会を行政側からつくると,これが目的ですよね。この確認。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 趣旨的には,国会でも答弁されているように,そういう趣旨だという理解をしております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 懲らしめとか厳罰ではない。QアンドAにもそのような内容が後段書かれているというふうに思います。 運用方法についての問題になってくると思うのですが,運用方法について質問をします。 この通知では,資格証の発行は機械的な運用はせず,発行対象者に対し保険料の滞納が資格証明書の発行につながることを十分に伝え,理解を得た上で行うこととしています。 この点について我が党の仁比聡平議員が機械的な運用とはどういう状況を指しているのかをただしております。 大臣は,何カ月とか1年とかではなく,どういう特別な事情があって払えないか,それを機械的でなく,きめ細かく聞いて対応しろというのがその意味だと答弁し,接触の機会をふやすことによって資格証制度の意味をよく理解していただいて,支払い能力のある方に支払っていただく。 説得もし,本当にお金のない人であれば生活保護につなげるなど,さまざまな手段があるので,対話の機会をつくるための資格証である。その辺を確かめもせずに資格証を出す,発行することは想定していないところです。こういう答弁であります。 機械的な運用を戒めている内容で,資格証を発行する場合は行政側から接触を事前に行い,しかも,十分な本人の納得と特別の事情を調査の上判断せよとの趣旨だと思うが,健康福祉部長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御指摘のとおり,その趣旨だと考えております。保険医療課の現場におきましても,全ての滞納世帯に対しまして接触の機会を設け,国保制度や保険料納付についての御理解をいただくよう努めているところでございます。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 本来,疑わしきは罰してはならないのが原則のものというふうに考えます。 さきの例,3月議会の例も,職員とは会っていないが,10割資格証が送られてきたとのことであります。恐らく不在で接触困難だった事例の一つであろうと私は思います。 残念ながら,資格証明書を発行している多くの市町村は,滞納額,滞納期間,その基準,電話催告,臨戸訪問時の不在票置きだけの機械的な対応,特別な事情の十分な把握調査抜きの発行となっていることが多々あると聞いております。 高知市では,先ほどのこの事例以外に,このように本人と接触できずに資格証発行となるケースはほかにもあるのか。あれば,どの程度あるのか,健康福祉部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 保険料の滞納の過程では,それぞれの段階で接触の機会を持つように努力をしておりますが,文書の送付に無反応であったり,電話連絡ができない,また通じない,そういう状況もございます。 また,訪問しても,不在により接触できないというケースもございますので,それに加えて,税の申告がなされていない場合には就労先も不明ということで,なかなか接触ができない困難なケースが多数ございます。 本年8月29日に,この10月から新たに資格証明書の交付世帯,対象となる長期の滞納がある3,200余りの世帯のうち,納付状況や過去の経過等を踏まえまして,87世帯に対し資格証明書発行の手続となる弁明の機会の付与などの文書一式を発送しております。 このうち,弁明書の提出がなかった,または却下となった70世帯に対して,9月8日に弁明却下通知書及び被保険者証返還命令書を発送したところです。 そのうち,先ほど答弁しましたような接触ができなかった,これまで可能な限り何度も接触を試みたにもかかわらず接触ができていない世帯につきましては,9月13日現在で33世帯となっております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 33世帯あるということでありますけれども,長期にわたる滞納者だと思います。 6月議会で下元博司議員の質問で,平成28年度の差し押さえ執行停止が220件あって,そのうち200件は生活保護に移行しており,14件は資産なし,6件は居所不明ということで,これを見ればいかに低所得であるか,その実態の断面ではないかというふうに考えるわけでございます。 こうした実態を認識の上での質問になりますが,また,この平成20年の通知の中には別添資料があり,滞納者と接触を図るための具体的な取り組みの例も示されています。 それは国保以外の税,上下水道,福祉,公営住宅,保育料等滞納者についての情報の共有を図っていることも示されています。 こうした連携は生活再建に大きな力を発揮している市社協との関係でも大変大事だと思いますが,情報の共有の場を検討されるおつもりはないか,市長に伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 収納体制の一元化というのは一つの大きな課題となっておりますが,一元化はなかなか難しいという現場の実態もあります。 御質問の通知の別添資料には,資格証明書の発行に際して,より公正な判断が行われるための事例としまして,全庁的な情報の共有の事例が先ほどの御指摘のように上げられております。 実施に際しましては,滞納者の個人情報保護に十分配慮しなければならないということもありますし,滞納者御本人の意思の同意が必須ということになってまいります。 したがいまして,税や国保等の保険料,生活保護,上下水道料など,個人情報の取り扱いについても制限もありますので,全てを一元化していくということは難しいと考えておりますが,連携が可能な部署については連携しながら対応を進めているところでございます。 国保の保険料の支払いだけではなく,他の,例えば租税公課,市税等の支払い等で生活にお困りの場合等もありますので,そういう場合には市社協に委託をしております生活支援相談センターにつなぐということをしております。 当該センターの相談支援員,また家計支援等のそれぞれ管理の仕方等もございますので,そういう生活再建に取り組む中で,各部署が連携し取り組んでおりますので,引き続きこの仕組みでの取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 個人情報が非常に課題だということでございますけれども,非常に大事な連携する問題でございますので,引き続きどうやったらできるか,あるいは本人の意思確認をどのような形でとっていくのかということも含めて,これは連携を強めていくということが私は必要じゃないかというふうに思いますので,よろしくお願いしたいと思います。 それと,特別の事情の有無の公正な判断ということのためには,課の担当あるいは課長だけではなくて,審査会や検討会の設置も必要だというふうに思いますが,健康福祉部長の見解をお聞きします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 国の通知の被保険者資格証の交付に際しての留意点においては,資格証明書の交付の厳格化を行うための一例として審査会の設置が上げられております。 審査会を設置した場合には,資格証明書の交付決定のみならず,解除を決定する場合にも審査をしなければ公平な判断とはならないと考えております。 一方,特に資格証の解除に当たっては,御質問のように,緊急的な場合の短期証や一般証への切りかえということもございますので,適時適切に迅速性をもって対応することが不可欠であると考えておりまして,所管部署以外の外部の委員を加えた審査会の設置は難しいのではないかと考えています。 ただ,判断に当たりましては,収納係の職員だけではなく,例えば医療職である保健師や給付係の職員など,特別の事情を踏まえた総合的な判断ができるような体制について取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 確かに一方では迅速な対応というものも求められるというふうに思いますけれども,非常にやはり資格証の発行というのは命にかかわる問題でもあり,その手前で特別な事情をどう把握するか,ここが大きな鍵になろうかというふうに思いますので,他の部署とも連携をしながら,そういう審査会に値するような取り組みが実現をするように,ぜひ今後とも努力していただきたいというふうに思います。 この資格証発行に当たっては,高知市でもその発行の要綱を決めているわけなのですが,先ほどの答弁にありましたように,慎重に検討するということ,そしてそれは何によって図られるかというと,やっぱりこの要綱が基準になるというふうに思います。 この項の最後にお聞きをしますけれども,資格証明書の発行についての高知市の要綱,これは3月の事例でも申し上げましたけれども,この要綱が非常にあいまいな部分を含んでいるというふうに言わざるを得ないのです。 保険料を支払えば生活保護に陥る方たちを含めて,特別の事情があるかないかを全て調べるに至るような要綱になっているというふうには思えない項目もございます。 そういう点で,資格証明書発行についての高知市の要綱については,もう一度十分に検証して,この通知,これまで出てきた通知に基づく発行となるよう見直しを検討すべきというふうに考えますが,市長の見解をお伺いします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほどの取り扱いに関します,交付に関します事務取扱要綱でございますが,国の通知,通達等の趣旨に沿った内容でありますので,見直しの予定はありませんけれども,その内容をさらに精査をいたしまして,今後社会情勢等の変化に伴い,国の通知,通達等が改正され,要綱の見直しが必要とされるということになりましたら対応してまいりたいと思います。 窓口での対応に当たりましては,今後も相談者の状態をできるだけ詳しくお聞きをしながら丁寧な対応を心がけていかなければならないという,どちらかというと運用面で十分留意をしていくということが,今取り組んでいかなければならないことではないかと考えます。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 運用面でということですけれども,やはり現場で対応する職員にとってみれば,その要綱が一つの基準として接していかなくてはならないということがございます。 その中にはそういった特別の事情という把握が十分でないケースがこの間生まれている現実があるわけですから,そこのところはもう一度十分に検証して,その上で現状の運用がどうなっているのか,また変えなければならない項目がないのかということをしっかりと検証していただきたいというふうに思います。 次の質問に移ります。崖崩れ住家・防災事業についてお聞きをします。 ことしの8月台風の影響で,鏡の中山間にある民家裏の石垣が崩れる災害が2件ありました。 いずれも幸いにして家屋に,あるいは人体に被害がなかったわけですが,しかし災害復 旧工事なら自己負担なしですぐ施工となりますが,予防工事となるため数年待ちとなる旨を市からお聞きをしたというふうに聞いております。 ことし4件の施工予定と聞いておりますが,現在どのくらいの件数が残り,どの程度の予算を必要としているのか,防災対策部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) 崖崩れ住家・防災対策事業につきましては,県が2分の1,市が4分の1,合わせて4分の3を行政が補助し,残りの4分の1を家屋の所有者等の個人に負担していただき,予防工事を行うようにしております。 本年8月末現在で予防工事の待機件数は平成25年度要望が1件,26年度要望が15件,27年度要望が2件,29年度要望が7件の合計25件でございまして,事業費換算では約1億7,000万円の予算が今後必要になってくるものと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) この間の予算額の推移はどうなっているか。 高知市の年間予算額は3,000万円と聞いております。単純に割れば,やはりかなり年数がかかるというのが現状と思いますが,何年待ちになるのか伺います。 ○議長(高木妙君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) まず,予算の推移でございますが,崖崩れ住家・防災対策事業として事業予算が独立した平成27年度からで申し上げますと,27年度については,前年に発生した豪雨災害により要望件数がふえたために4,880万円の予算額となっており,その後は28年度と29年度はそれぞれ3,000万円の予算額となっております。 また,現在残っている工事25件の事業費用を平成29年度予算の3,000万円で単純に割りますと,最長で6年程度お待ちいただくことになります。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) やはり6年というのは結構長い期間待ちということになるわけで,住民の側にはやはり非常に大きい不安ということになろうかと思います。 危険度判定を行っているとお聞きしておりますが,どんなものか,簡潔に御説明を願います。 ○議長(高木妙君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) 危険度の判定につきましては,工事の優先順位の判断材料とするため,斜面の崩壊と斜面の現況の2つの側面から判定を行っております。 まず,斜面の崩壊に関しましては,崩壊により住家へ土砂流入している場合は10点,住家の外壁が破損している場合には8点など,住家への影響等に関する5項目について採点をしております。 また,斜面の現況に関しましては,斜面からの湧水が常時確認できる場合には5点,降雨時に湧水がある場合には3点など,斜面からの湧水の状況等に関する7項目について採点をしております。 最終的に斜面の崩壊に関する5項目と斜面の現況に関する7項目,全12項目の合計点数により総合的に危険度を判定するとともに,御要望いただいた時期なども勘案して工事着手の優先順位の判断材料としております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 平成26年度分だけで申請が15件に上っている現状があります。 先ほどの点数で20点を超えると非常に危険だというふうにも言われておりますけれども,その危険の点数が20を超えるものがその中には3件含まれています。 これを優先することになるとしても,同じ年に出したものはせめて同じ時期に手がける必要というのはあると思います。住民もそんなに待てないし,現場職員も住民への対応に大変苦慮しているというふうな実態もあろうかと思います。 それと個人負担額,これもやはり非常に大きい。4分の1の負担ですから,負担が重過ぎて取りやめるということもあると聞いております。この個人負担額については,高松市は10分の1,松山市は5%というふうになっております。 住家に対する予防事業に対して五,六年待たなければならないとは,住民からすれば余りにも冷たい予算配分としか言いようがないと思います。 現状での全体の予算,個人負担についての評価を防災対策部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) 現状の予算枠3,000万円では,予防工事の御要望をいただいても最長で五,六年先でないと工事を実施できない状況にありまして,御要望される市民の皆様方に不安を与えてしまいますことから,来年度の予算要求に向けては事業費の拡充を図る必要性があるものと考えております。 また,個人負担額につきましては,本市の制度上,個人負担の割合が事業費の4分の1となる関係で,予防工事の申し込みを取りやめるケースがこれまで多数見られましたことから,御指摘をいただきました松山市や高松市における個人負担の割合など,他都市の制度運用の状況を早急に調査,研究しまして,来年度に向け検討作業を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 前向きの答弁,どうもありがとうございます。ぜひ調査して改善を図っていただきたい。予算をふやしていただきたい。よろしくお願いしたいと思います。 住家・防災に対する問題で,平成27年度に県がアンケートをとっていますけれども,防災意識も非常に高まっております。住民の要望箇所に応じた予算にまで本来引き上げていくことが必要だと思いますし,その観点から強く求めていきたいと思います。 平成28年度,本市の議会からの政策・施策評価での提言において,この事業については住民の関心も高く,希望者も多いが,自己負担も大きい。 執行部においてはこのことを重要課題として認識し,住民の命を守るため,個人負担の軽減と施工箇所をふやすための予算枠の拡大とあわせて,制度の改善を県に強く要望していくよう求めています。 この提言に対して,改めて市長に今後の決意をお伺いいたします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 崖崩れ住家・防災対策事業につきましては,非常に高知県内また高知市でも急傾斜地が多いということもありまして,急傾斜地の崩壊から人々の命と財産を守るための大切な事業であります。 昨年度の市議会の政策・施策評価において御提言いただきましたとおり,自己負担額の軽減を含め,県の予算の拡充と制度の改善につきましては重要な課題であると認識をしております。 本事業につきましては,平成26年度の集中豪雨災害やたび重なる集中豪雨により,崖崩れに対する市民の皆様方の関心も高まっている中で,予防工事の御要望も多数現在いただいております。 先ほど御紹介いただいたように,過年度の待機件数も多くなっておりますので,施工をお待ちいただいている状況にあります。 今後さらに事業の進捗を図っていく必要がありますので,先ほど部長も答弁を申し上げましたが,他市の事例等の調査も行った上で,査定の場でも十分議論を行ってまいります。 また,県が2分の1を出しておりますので,県の補助枠の拡充ということも当然お願いをしていかなければなりませんので,今後高知県の市長会等でも県への要望として,過去にも出したこともありますが,今後とも強く要望してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) ありがとうございます。ぜひこの崖崩れ住家・防災については,政策面で大きな前進があるようによろしくお願いを申し上げたいと思います。 ことしも今,台風の不安に大変駆られていると思いますので,それからゲリラ豪雨,これもよそもありました。そうした点も含めまして考えていかなくてはならないと思いますので,ぜひよろしくお願いいたします。 文化財行政について伺います。 第21回戦争遺跡保存全国シンポジウム高知大会が去る8月19日から21日まで開催されました。ことしは,今こそ戦争遺跡を平和のためにをテーマに,全国から活動に携わっている関係者を含め,熱心な活動,交流が行われました。 戦後72年,戦争体験者は全人口の約8%となり,戦争の実相や悲惨さを伝える手段は今や,戦争の生き証人として戦争遺跡へと移行しており,その役割は一層大きくなっています。遺跡に立てば,文字資料では伝えることのできない臨場感や説得力,本物の持つ教育力があり,想像力を働かせ,追体験が可能となります。 この大会では,高知県内でも掩体壕を市の史跡群として指定した南国市,トーチカ保存のため,子供を巻き込み,平和教育活動に発展している香南市などの取り組みは,全国でも先進的な取り組みとして注目をされました。 大会の最後に,現在四国財務局が競売にかけている朝倉・旧陸軍歩兵第44連隊弾薬庫や講堂等の関連遺構を文化財として保存することを求める決議が満場の拍手の中,採択をされました。 決議文の内容を簡単に御紹介いたします。当該施設は,日清戦争,1897年ごろに開設され,ごく最近発見された弾薬庫を囲む土塁を含め,戦争の時代を語る記念碑的存在であり,貴重な戦争遺跡,歴史資料として有効活用を図ることを訴えています。 また,この兵営敷地は当時の県民の献納によって取得されたものであり,競売にかける性格の土地でないこと。そもそも全て高知師範学校に譲渡が確定していたものを大蔵省印刷局が横やりを入れる形で土地を取得したという経過もあり,高知大学に返還されるべきものであること。施設は経年変化が激しく,修復が必要であり,早急に文化財として指定し保存することなどを求める内容となっております。 高知大学の関係者はこの44連隊の跡地について,魅力的な土地であり,戦争遺跡として保存しつつ,2段階移住のCCRC構想,留学生の移住,国際交流の場として整備したいという意向をお聞きしました。 大学,県,財務局への働きかけなど,旧陸軍歩兵第44連隊弾薬庫や講堂等の関連遺構の取得,保存,文化財指定に向けて,高知市としてこれまで以上の最大限の努力を払っていただきたい。市長の御所見をお伺いします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) これまでもこの本会議でも御提言を受けておりましたが,高知市教育委員会では平成27年12月に高知大学に調査を委託しまして,先ほどの旧陸軍歩兵第44連隊の弾薬庫の調査報告書をまとめております。 明治30年代の旧陸軍時代の建築洋式を現在に伝える高知県内に現存する数少ない近代和風建築であり,跡地につきましても,その変遷が歴史を物語るものであるとの評価をしております。 取得につきましては,本会議でもたびたび御提言いただきましたが,教育委員会からこれまでお答えしましたとおり,算定しますと用地取得に約4億円近い多額の取得費が必要になってまいりますので,財政的に困難であり,本年2月に四国財務局の高知財務事務所に対しましては,高知市としては取得は要望しないということを回答しております。 今後,大学関連につきましてどういう動きになるかを注視してまいらなければならないと考えておりますが,高知市の有形文化財の指定に関しましては,高知市の文化財保護条例に基づきまして,所有者の文化財指定への同意などが前提となりますので,所有者の方のそういう申請があれば,それに向かった手続を踏んでいくということの流れになろうかと思います。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 非常にもったいない話で残念な気持ちがしますけれども,諦めてほしくないというふうに思います。 市長は昨年の6月段階で,施設は直接見学をされていないということでしたけれども,この間見学の機会がひょっとございましたでしょうか。ありましたら御所見をお願いしたいですが。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 報告書につきましては興味深く詳細に見させていただきましたが,現地の中は,ちょっと入る時間がなくて,まだ入ったことはございません。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) ぜひそういう機会をつくっていただいて,見ていただければありがたいというふうに思います。 戦争遺跡の保存整備は,遺跡に第2の生命を付与することでもあります。 戦争の加害,被害の実態を直視する施設であり,まさに平和のとりでと言えると思います。市長の英断を今後求めておきたいと思います。 民権・文化財課の体制強化,専門性の確保,人員体制の抜本的強化については,昨日の深瀬議員への答弁がありましたので,質問にはしませんけれども,私のほうからもその強化について要望するものでございます。 また,先日我が会派も直接香南市文化財センターを視察してまいりました。 センターの職員さんは,設置したことにより,地域に残る貴重な文化財の情報がセンターに集まるようになり,最近では第2次大戦末期に建造された巨大な砲台跡など,戦争遺跡発掘にもつながっていると話され,まさにセンターは歴史をつくる工場だと胸を張って話されておりました。 高知市が収蔵している文化財の保存,活用に向けて,文化財センター設置は大きな意義がありますので,ぜひ具体化についての努力をするよう市長,教育長に要望しておきたいと思います。 それでは,最後に市長の政治姿勢について伺います。 本日もけさ,弾道ミサイルを北朝鮮が放ちました。断じて許されるものではありません。強い憤りをもって抗議をするものでもございます。 世界と地域の平和と安定にとって重大な脅威であり,国連安全保障理事会決議,6カ国協議の共同声明,日朝平壌宣言に違反する暴挙であります。 それは国際社会が追求している対話による解決,これに逆行する行為であり,市長も署名をされている核兵器禁止条約の国連での採択など,核兵器のない世界を求める世界の大勢に逆らうものです。 日本共産党はこの点でも強い憤りをもってこの暴挙を糾弾,抗議をするものでございます。 今の最大の危険は,米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで,当事者たちの意図にも反して偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ,強まっていることであります。 万が一にもそうした事態が引き起こされるならば,その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになります。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に回避しなければなりません。 米朝の直接対話がいよいよ緊急で切実な課題となっています。北朝鮮に対してこれ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求めるものです。 米朝両国に対して強く自制を求めるとともに,現在の危機を打開するために直接対話が極めて重要となっている,その声は世界各国で相次いでいます。 米国では6月,ペリー元国防長官,シュルツ元国防長官,ガルーチ元国務省北朝鮮問題担当特使らが連名でその危険を指摘し,直接対話を要求しています。 8月29日の国連安保理事会議長声明は,対話を通じた平和的で包括的な解決を加盟国に呼びかけています。 ところが,安倍総理は3日,トランプ大統領との電話会談で,北朝鮮に対する圧力を高め,北朝鮮の政策を変えさせていかなければならないと強調しました。そして,対話のための対話は全く意味がないということが日本政府の定番の言明となっています。 日本共産党は,国際社会及び日本政府に対して,軍事衝突を何としても回避するため,米朝両国に今こそ直接対話を促し,平和的手段で核ミサイル問題を解決するために,可能なあらゆる手段をとることを強く要請するものであります。 市長説明では,事態をこれ以上悪化させないためにも,深刻な脅威にさらされている我が国が国際社会の結束のもと外交的解決を先導していくよう,全国市長会を通じて強く要請していくとしています。 そこで,伺います。 アメリカ,北朝鮮の直接対話こそが緊急で切実な課題となっていること,直接対話こそが現実的な選択肢と考えるが,市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) けさ7時前でございましたけれども,再び大陸間弾道ミサイルを撃ち上げまして,こうした行為は断じて許されるものではございません。 また,核実験も6回目となっておりますので,こういうたび重なる挑発行為が続けられていることは極めて遺憾でありますし,強い憤りを感じます。 平和的な問題の解決に当たりましては,関係国間におけます対話も当然必要になりますけれども,一定の各国が連携したいわゆる圧力というものも必要だと考えておりまして,安全保障の関係での国連での一定の制裁ということはやむを得ない状況となっております。 ただ,世界が,日本もそうですが,一番恐れておりますのは北朝鮮の暴発でございますので,その暴発は何としてでも食いとめていかなければならないという意味で,そういう意味で対話ということが非常に重要になると考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 我々も圧力そのものを全て否定しているというものではないけれども,対話がないこと,このことが非常に懸念される問題であります。 市民の声の中には,北朝鮮も怖いけれど,私は安倍さんも怖いと言われる方もおられました。 日本政府が対話否定論に固執する態度を改めて,今こそ対話に踏み切るべきであることを米国政府に強く発信すべきと考えますが,これについての市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今般のさきの制裁決議の中で各国の国連大使が順番に意見を述べていますが,アメリカのヘイリー国連大使が,アメリカは戦争を求めていない。北朝鮮が核開発を停止することに同意するなら国の未来を取り戻せると述べております。 また日本の別所国連大使は,北朝鮮が平和と安全を望むのなら,朝鮮半島の非核化への具体的な方法を行動で示すべきだと述べるなど,各国とも最終的には対話による平和的な問題解決を望んでおります。 その中で,圧力を強める対応を行うこともやむを得ないと考えておりますが,最終的には対話で平和的な解決を目指していかなければならないと考えております。 ○議長(高木妙君) 下本文雄議員。 ◆(下本文雄君) 非常に各国の対話を求める声というのは大きくなりつつあります。 8月29日以前もドイツ,フランス,ロシア,中国,韓国も,双方に自粛を求めるということでありますし,ドイツのメルケル首相は,北朝鮮の独裁者の攻撃的な行為に大きな懸念があるとした上で,この問題をアメリカ大統領なしで解決することはできない。しかし,はっきり言っておく。平和的な外交による解決しかあり得ないと,このように述べているわけでございます。 もちろんスイスのロイトハルト大統領も,今こそ対話のときだ。我々は仲介役を申し出る用意がある,このように述べておりまして,対話を求めております。 そういった点でも,ぜひ市長会を通じてこうした方向での声を上げていただきたい,このことを最後に申し上げまして,私の全質問を終わります。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。  〔岡田泰司君登壇〕 ◆(岡田泰司君) 日本共産党,岡田泰司です。通告に従いまして質問をいたします。 質問の前に,せんだって山梨市長が収賄で逮捕される事件がありました。職員採用に手心を加え,見返りを懐に入れていたようであります。人事利権による収賄事件だと思いますが,その原因は多額の借金であったとの報道であります。 人事権を利用し,地位,役職をちらつかせ,言いなりになる配下をつくり,その実権を活用する。仲よし人事,〇〇人事というのはよく聞く話でありますが,能力もなく登用されるような事態があるようでは本人は不幸でありますし,市民はもっと不幸であります。 市民から,よもや,市長以下特別職,幹部職員には利権絡みのそのようなことはあるまいと思うが,聞いてくれとの申し出がありました。 質問にはいたしませんが,ちまたにはこんな声があるということを紹介しまして,肝に銘じておいていただきたいと述べまして,質問に入ります。 追手前小学校跡地西敷地問題は,市長の政治姿勢の根幹を示すものであるとしまして,政治姿勢とあわせて質問といたします。 3月議会の討論で,岡崎市政4期目をうたった狂歌を紹介しました。誰がために,西の敷地と道の駅,民の声よりパトロンの声。 一文字の的を射た表現であることが立証されていく状況に市政の行く末が暗示されます。すべからく知らしめるべからずの言葉がよぎります。議会軽視,市民に知らせない手法がとられています。 6月議会,追手前小学校跡地西敷地利活用についての基本方針案が報告されました。その内容は,議会個人質問が終わるまで報告書は配付されず,事前に経済文教常任委員長にも示されることはありませんでした。そのため,市長答弁に惑わされ,発言取り消しをする事態もありました。 市長にお聞きします。 6月議会,追手前小学校跡西敷地利活用についての基本方針案報告書を議案とあわせてなぜ配付しなかったのか。議会質問終了後に配付することを決めたのはどなたでしょうか。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 新図書館の西敷地の利活用事業の基本方針案につきましては,事務局の作成や,より庁内での確認作業等に時間を要し,6月22日に最終の詳細の打ち合わせをした後に最終案が確定をしましたので,配付は経済文教常任委員会開催前の6月23日になったものでございますので,御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 議場での方針案の議論を避けているわけですが,おくらせたのはね。巧妙かつこうかつであるが,稚拙さが露見しています。質問を避ける手法自体,施策,計画にある問題点を事務局は自覚しているからこそ,推察されます。 商工観光部長,最近瞳の奥に非常に険しさが映って見えますが,ふなれなお仕事にお疲れかと思いますが,お聞きいたします。 方針案報告書の配付の件ですが,市長の意向をそんたくしたものか,商工観光部長の判断なのでしょうか,お伺いいたします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 西敷地利活用事業につきましては,本年2月の新図書館西敷地利活用検討委員会からの検討結果報告をもとに,市としての基本方針を定めており,この基本方針に沿って事業を進めているところでございます。 新図書館西敷地利活用事業基本方針案につきましては,先ほど市長の答弁がございましたとおり,事務局案の作成や庁内での確認作業等に時間を要し,6月22日の打ち合わせ後に最終案が確定となったため,配付が経済文教常任委員会開会前の6月23日になったものでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 非常に製本が早かったですね,そうすると。 マンション建設を可能にする事業用を一般用へ,長期定期借地権の改ざんなど,内容もさることながら,全て非公開。非民主的手法が議会質問によって衆目にさらされることを免れようとしたような気がいたします。 そして,今議会開会後の9日,プロポーザル公募を発表しています。議会質問でただされても,変更不可能であるとの既成事実化を狙ったようなことをいぶかるものであります。 この西敷地問題,昨年,平成28年9月,迫議員の質問に対して市長は,西敷地の中ではさまざまな御意見があるということは承知しておりますので,今後,この新たに立ち上げました新図書館西敷地利活用検討委員会の議論,また住民の皆様とのさまざまな議論を,いろいろ参考にしながら最終的な方向を決めていきたいというふうに考えているところでございますと答弁されています。 質問ですけれども,この中で,住民とのさまざまな議論をとありますが,市長は経済同友会の皆様と直接面談し,その意向を利活用委員会に反映させたことは承知をしています。住民の皆様とどこでどのような議論をされて今回のプロポーザルへつながったのか,市長にお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,西敷地の利活用につきましては,地元商店街を初め観光,福祉,文化などさまざまな分野の有識者で構成されます利活用検討委員会におきまして,市民アンケート,1,000人以上のアンケート等もいただきながら,約1年間にわたって熱心な御議論をいただいております。 また,市民の方々の関心も非常に高いということもありますので,私自身いろんな場面で市民の方々から,例えば広場の御要望や子供さんが遊べる施設にしてほしいということなどの御要望をいろんな場所で受けております。 あわせまして,議会におきましては,検討委員会の検討結果内容や基本方針案などをお示ししまして,さまざまな御意見を賜った上で今回のプロポーザルの公告に至っているものでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) お隣の大橋通り商店街の方々も知らないし,何になるのかということも知らない,どういう方向に行っているのかも知らないというのが実態なのですね。 しかも,議会に諮ったと言いますけれども,本会議での議論を避けているというところに私は問題があるということを指摘しておきます。 新図書館オーテピアが姿をあらわしました。かつてのスケッチ段階で高崎市図書館とそっくりと指摘しましたが,実際にスケッチのような広い歩道やセットバックした敷地があるならまだしも,かの高崎市よりも前庭に空間がほとんどありません。 およそ町の風景,景観を考慮しない。建物だけを考えた設計ではないかと落胆するものであります。 この間,市民,県民の声に応え,県は景観を守るために,マンション建設計画があった高知城の西地域,北曲輪地域を購入し,公園として整備をしました。 追手門の目と鼻の先にある財務局跡地,マンション建設が危惧された同地も先行取得し,歴史博物館として整備してきました。 こうしたまちづくりの努力に反して,中心市街地唯一の空間を民間活力と称して建物を建てさせようとする発想の貧困にはあきれかえります。 中心市街地に公共空間を確保してきた県の努力をどう評価しているのか,市長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知城に隣接をします県の新たな公園整備につきましては,高知城の眺望やシンボル性を保全し,周辺の環境とマッチをしておりますので,それぞれの景観の形成に寄与しているものと考えております。 また,高知県におきまして整備されました高知城歴史博物館ですけれども,これは高知市からの要望もありまして建てていただいたものでございます。 開館以来,8月末現在で観覧者数が12万6,000人を超えておりまして,当初の年間見込み数12万人を既に上回っておりますので,地域の観光関係の資源として非常に大きく寄与していただいておりますので,そういう意味でも中心市街地の活性化につながっておりますので,感謝をしているところでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 県は空間確保のために努力をしているのですね。追手門の西と東,中ノ橋までの間に大きな建物ができるのです。 その唯一の空間に物を建てさせようとしているのです。何ができるかもわからない追手前小学校跡地西敷地に。まちづくりを放棄した無責任な人任せの愚策であります。50年,100年先を見据えた土地設計のビジョンがないお粗末な行政であると指摘するものです。 基本方針では,民間活力で有効活用を図り,地域の活性化による資産価値を高めるとともに,経営的視点のもと,土地の賃料によって歳入をふやし,市民サービスに生かしますとあります。 付近にある高校や大学へ通学する学生,生徒に加えて,図書館や歴史博物館,ひろめ市場を訪れる市民や観光客等の歩行者動線上にあるこの敷地は,市民の貴重な財産,単なる自治体の財政目的で計画を立てるべきではないと考えます。 西敷地の利活用とまちづくりには市民の主体的な参加が欠かせないと思いますが,市長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 中心市街地活性化基本法の基本理念に,中心市街地のまちづくりは地方公共団体や地域の住民の方々,また関連事業者が相互に連携を図りながら取り組むことが重要であるということとされております。 高知市の中心市街地の活性化協議会の中でもこれまで,さまざまな民間の皆様方から御意見を大変多くいただいております。 また,新図書館の西敷地利活用につきましては,住民の方々,また市民全体の関心も非常に高かったということもありますので,3,000人を対象にアンケートを行いまして,1,168件のそれぞれのアンケートもいただいておりますので,それらの御意見も参考にして幅広く検討をしてきたものでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) しかし,西敷地の利活用計画は,住民説明会もしていません。商店街にも説明もしていません。 市民アンケートや外部委員による報告も無視。議会に対しても,基本方針もプロポーザルを経ての業者選定も報告だけです。議決事項にしていません。 徹底した市民排除ではありませんか。議会軽視ではありませんか。市長にお伺いします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。
    ◎市長(岡崎誠也君) お約束しておりました公有財産規則の改正につきまして,事後の説明になりましたことは私どものいわゆる事務的に間に合わなかったということを陳謝をしたいと思います。 これまで御説明をさせていただいておりますが,利活用の検討委員会の委員の方々にはさまざまな分野の有識者の方に御就任をいただきまして,先ほどの1,100件を超えますアンケートの結果も踏まえまして,その検討結果の御報告をいただいておりまして,その報告をもとに議会からの御意見もいただき,市の基本方針を策定しているところでもございます。 また,この検討委員会におきましては,いわゆる公開の場での議論ということになりまして,非常に多くの方々の傍聴もあっておりまして,延べ105名の方々が傍聴に来られておりました。 また,今回プロポーザルの公告を行いましたが,今後プロポーザルの提案がありまして審査をいただくことになっておりますが,プロポーザルの最終で選定されました事業者と契約する前には,議会の皆様方にも,来年の3月議会になると想定しておりますが,報告をさせていただいて御意見を賜りたいと考えているところでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 報告をして意見を賜っても,議決事項ではないのでしょう。それはいかがですか。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 議決案件につきましては,先日の議会答弁でも答弁させていただきましたが,地方自治法の第96条に規定されている項目だけが議決案件ということになっておりますので,定期借地権の設定等につきましては議決案件とはなっておりません。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) ですから,単に議会に報告するだけで,議会には何の権限もないと,市長の一存で進めるということですよね。 まして,利活用委員会の5回目ですけれど,私は傍聴しましたけれど,広場で残すということを言っていた委員が欠席していました。そして,委員長に一任と,報告書は,そういうことを聞きました。 その一任された内容については,欠席した委員には報告もされていない,こういうのが実態です。委員長も欠席している方も元市の職員ですから,非常に市長をそんたくしているのではないかと,考え方を,そんな疑問を持ちます。 歳入をふやして市民サービスをふやすなど,まやかしもほどほどに願いたいものです。財政収入が上がることで市民が喜び,賛同するとでも思っているのでしょうか。 市長の言う追手前小学校を廃止してできた市民の貴重な財産を特別企業に占有させるために,中心街にある市民の癒やしの空間となるべき広場から市民を排除するという,最高のサービスの切り捨てを画策しておいて,───────────────怒りでいっぱいです。文化性の欠落した市の行政のさもしさに市民の嘆き,仙台屋桜の嘆きが聞こえます。 プロポーザル選定委員会が開かれました。プロポーザル募集要領が出ました。徹底した秘密主義,業者偏重,市民排除,ありきの構図,そのからくりを明らかにしていきたいと思います。 プロポーザルの手法ですが,広場を求める市民要求の排除に一つのハードルと審査要領にからくりを設けています。1つは,借地料年間1,600万円の設定です。広場では収入が見込めません。個人,市民団体で有志が集まっても負担ができない大きな金額です。 また,事業のみでは収入が不安定,マンション等居住物件でなければ継続的安定収入が見込めません。高層にするほど利益が上がります。昨日の迫議員の質問で明らかになりました。高さも制限をしていないわけです。 2つ目の審査要領のからくりは,審査基準,導入機能,必須項目の4点のうち2点があれば50点を獲得できるようにしていますが,市民の求める広場機能を排除しても,その他の機能を加えることができて,しかも人口増,通行人増で加点される仕組みがつくられています。 まず,A評価は前提条件となっていることから,市民の大多数が求める必須項目4点全て網羅をして広場の最も大きい施設を提案しても50点です。 市長に直接申し入れのあったCCRC機能を持つ評価点が最下位から2番目,C評価の高知の若者と都会などから移住してきた高齢者などが交流できる機能1を,広場面積が少なくて済むA評価の観光客のリピーターをふやすことができる機能6と,家族で訪れて子供が安全に遊ぶことができる機能9に加えた案では53点がとれます。 建物建設を誘致する設定となっているのです。まさに,癒やしの空間を求める市民の心情を逆なでにする決定的な市民意思の排除であります。支持かそんたくか,結果として第5回利活用委員会に報告された土佐経済同友会からのCCRC構想が採用されるような加点配分がなされているとの解釈をせざるを得ないものであります。 マンション等,民間業者の利益を誘導する,ありきの構図がここに見えるものと考えます。 A評価以外を加えると加点配分する理由は何でしょうか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 西敷地利活用検討委員会の報告では,11のふさわしい機能をAからCの3段階に評価したものとなっておりますが,委員の方からは,A評価の機能にB,C評価の機能を複合させる考え方もあるという御意見もいただきました。 11機能についての御意見を聞くために行った市民アンケートでは,年代や性別によって意見やニーズもさまざまで,機能別の総合評価ではA評価の機能は100点以上,B評価の機能は90点以上,C評価の機能についても80点以上の評価点を得ており,B,C評価の機能にも一定の市民ニーズがあらわれております。 また,6月議会経済文教常任委員会に基本方針案をお示しした際にも,民間事業者の自由度の高い発想による提案を幅広く求めることができるようにとの意見もいただきました。 このようなことから,B,C評価の機能が導入された場合に加点することにより,市民の皆様の意見を含む検討結果報告や議会の御意見がより反映できるものではないかと考えたものでございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 特定の議員の意見を採用していることがよくわかりました。広場を進めている議員の発言ですね,それを採用していると。まさに市の考え方と一致しているというふうに考えます。 審査過程の非公開,ブラックボックスについて職員の間からも,庁舎等のプロポーザルは何の問題もなく公開のもとに行われてきた。なぜ西敷地だけが非公開なのか,おかしいとの声が上がっています。市役所内部からの疑問の声が上がっていること,御存じでしょうか。 市民の貴重な財産を利用して,企業利益と歳入増,利益追求を目的とする施策であります。市長は,市民の知る権利よりも企業利益優先を主張し,企業の知的財産を守ることを情報非公開の理由としています。 市政の主人公は市民ではなく企業にあるという言い分です。しかも,知的財産権という固有の権利を保護するのではなく,第三者をもってその存在の確認ができないもの,知的財産を守るというのにはあきれます。 知的財産及び財産権は誰のもので,誰が保全すべきものでしょうか。まず,物的財産及び財産権の保全は,その私的所有者,占有者自身がすべきものであります。 知的財産権もしかり,特許権,意匠登録権,商標権など,監督機関に届け出て保全策はみずからが行うべきものであります。届け出て承認をされて,侵害に対する権利としての請求権が生まれます。 詩歌,小説など著作権は考案した時点に生まれるという解説です。それは絵画や写真などを含めて侵害に対する請求権は先に具現化,公表したものが優先されるものと考えます。 法制担当の総務部長にお聞きします。 知的財産とは,本人が思うだけの財産であり,第三者を排除できるものではない。 したがって,具現化,公表されていないものに知的財産権という権利は存在しない。いわゆる権利侵害に対する賠償請求権がないものであると考えますが,お聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 弘瀬総務部長。 ◎総務部長(弘瀬優君) 平成14年に制定されました知的財産基本法においては,まず知的財産の定義として,発明,考案,植物の新品種,意匠,著作物その他の人間の創造的活動により生み出せるもの,商標,商号その他事業活動に用いられる商品または役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報をいうとされております。 一方で,知的財産権の定義といたしましては,特許権,実用新案権,育成者権,意匠権,著作権,商標権その他知的財産に関して法令により定められた権利または法律上保護される利益に係る権利をいうとされております。 したがいまして,知的財産基本法でいう営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報などの知的財産には損害賠償請求を行い得る具体的な権利性は備わっておらず,法令に基づく登録手続を経た特許権や商標権などの知的財産権につきましては,その権利の保有の確認の訴えや権利侵害による損害賠償請求を行うことができる具体的な権利であると認識しております。 そうしたことを踏まえまして,プロポーザル方式による事業者選定や指定管理者の指定候補者の審査においては,具体的な権利性が認められていない知的財産である事業者の営業秘密その他事業活動に有用な技術上及び営業上の情報の第三者への漏えいを防ぐという観点から,審査を非公開としております。 これは高知市行政情報公開条例第9条第3号において,法人その他の団体に関する情報を公開することにより,当該法人等の権利,競争上または事業運営上の地位その他の正当な利益を害すると認めるに足りる合理的なものがあるものは原則として非公開とすることと同様の考え方によるものであります。 高知市における附属機関等の会議の公開に関する要綱においても,行政情報公開条例第9条各号に規定する情報に該当する事項について審議を行うときは,会議を公開しないことができるということにつきましても申し添えさせていただきます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 提案内容についてなぜ秘密にしたいのか。公共事業の入札に際して積算ミスが指摘され,やり直しがされたと時折耳にします。 そこで,上下水道事業管理者にお聞きしますが,管理者の管轄下の事業の入札後,積算ミスが指摘された事例があると思いますが,その積算ミスを指摘してこられた方はどのような立場なのでしょうか。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 積算上の疑義がある場合,入札参加者より疑義の申し立てをお受けすることはございます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) つまり同じ同業者ですね。同業者ならではの経験と技術が間違いを発見するものであります。同業者なればこそ見つけられるものがあります。 すぐれた技術者は,その技術を堂々と披瀝し,技術の継承を図ります。技術の未熟さは隠したくなるのが人情です。強さは誇示しますが,弱みは見せたくありません。企業にも同じことが言えるのではないでしょうか。 非公開とする理由は,先ほど条例も聞きましたけれども,応募者側からの要望があったのではないかと思いますが,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) プロポーザルにつきましては,委員名簿や事業応募者に関する情報などを含む全てを公表することは,その内容が選定に関する情報であり,外部からの圧力や干渉等の影響を受けることなどにより,選定の円滑な遂行に影響を及ぼすおそれがあり,また事業応募者から提出される書類等につきましても,事業応募者の保有する技術やノウハウ等を保護する観点から,選定期間中は非公開とすることとしており,応募事業者側の要望から始まったものではございません。 なお,本市以外の四国3市の状況について,各市の所管部署に問い合わせをいたしましたところ,松山市,高松市,徳島市のいずれもプロポーザルは非公開としているとお聞きしております。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 非常に業者と行政との疑問を感じるものですが,企業は経済活動を通じて社会発展に寄与するものであります。公共事業は,先駆的な技術を率先して社会進歩に貢献する企業を育成する役割を担うべきものであると考えます。 非公開の理由に,資金計画や財務状況を上げていますが,経営審議会など,基本的な企業情報まで既に公開されているものがあります。 企業情報は公開してこそ信用度が高まるものと考えます。情報公開にすると応募がなくなるとの新聞インタビュー記事がありました。商売の世界を知らないいかにも公務員的発想。 企業とは利益追求を目的とすると定義されています。ビジネスチャンスに議案提案を公開するなら応募しないは,業界の裏談合,特定の者にしか通じないおどし,はったりの類い,方便にしかすぎないと思います。 公開したら市民の信頼を失うような提案しかできない企業,誰でもすぐまねのできる提案では,参加資格そのものがないのではないか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 当該事業のプロポーザルにつきましては,選定委員会において審議いただいた上で策定いたしました募集要領の事業応募者の資格要件を満たした事業者等であれば応募いただくことが可能でございます。 選定につきましては,選定委員会において審査基準に基づき公平公正に評価され,西敷地の利活用に最もふさわしい事業提案を選定していただけるものと考えております。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 財務状況や資金計画などは応募要件に属するもので,事前審査の課題であると考えていますが,シャープや東芝などグローバル企業が倒産する可能性がある時代です。 10年,20年先の応募企業の財政をどう審査するのでしょうか。まして,30年,50年先の状況を判断する予知能力があるのでしょうか。50年間契約を全うする保証はどこにあり,万一の責任は誰がとるのでしょうか,市長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 選定委員会の中では,経営の専門家の方も入っていただいておりますので,専門的な見地から見た公平公正な審査を行っていただけるものと考えております。 また,選定委員会では,定められた審査基準に基づき,財務諸表や事業計画等から事業の確実性や事業の安定性等についても評価をしていただき,総合的に一番評価の高かった事業提案を選定していただくことになります。 いわゆる基本協定や定期借地権設定の契約につきましては,高知市が選定された事業者と締結するということになりますので,当然委員の責任はなく,最終的には高知市がその責めを負うということになります。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 30年,50年先にその企業が存在するのかどうかというこの保証の話なのですが,どこで判断できるのですか。言えますか,市長。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) その企業が50年先にあるかどうかの保証は私自身もできませんので,やはりその現状とこれまでの過去の実績,そしてこれまでの経営状況から判断していくしかないと考えます。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 30年,50年先は市長がおらんでしょう。無責任じゃないですか。その企業が倒産したら,占用されたまま残るのですよ,市民の財産が。 これは無責任な計画ですよ。50年間必ず営業すると,そこに存在するという企業が保証できない以上,これはやめるべきです。本当に無責任です。 我が会派の迫議員がプロポーザル選定委員会の情報公開を求めました。これが通知書ですけれど,選定委員5名のうち4名は黒塗り,何を審議する専門家であるかもわかりません。1名は市の職員ですので,氏名は公表されています。 該当者は不明ですが,専門分野だけは明らかにしています。外部委員4名は,経済,法律,建築,商業の4つの専門分野から意見を聞くとしています。 選定委員名が非公開となっています。選定委員の氏名をなぜ公表しないのか,市長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 当該選定委員会につきましては,先ほども総務部長から紹介もありましたが,公開することによりまして外部からの干渉,また圧力等により,当該審議等における率直な意見の交換が妨げられ,意思決定の中立性が損なわれるものと考えられるため,高知市における附属機関等の会議の公開に関する要綱,先ほど紹介しましたけれども,の規定に基づき,いわゆる基本協定の締結をする前,3月議会での御報告を考えておりますが,それまでは非公開とさせていただいております。 また,他の3市につきましても,担当部長が紹介したとおり,非公表ということになっております。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 驚いたのは,第1回選定委員会の議事録の開示を求めました。文書不存在とあります。選定委員会自体が非公開であり,委員の率直な意見の交換が損なわれるおそれがあることから,議事録は作成しておらず,保有していないためと記述されています。 よもや選考委員就任依頼に際して,議事録をとらない,非公開を条件にしているなどということはないと思いますが,なぜ議事録を残さないのか,商工観光部長にお伺いします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 選定委員の就任依頼につきましては,高知市中心市街地活性化基本計画に基づいた中心市街地の活性化に向けた取り組みや西敷地利活用についてのこれまでの経過などを御説明し,御理解をいただいた上で,各分野の専門的知見を有する委員として御就任いただいております。 その際に,議事録をとらないことや非公開を条件としてお引き受けいただいたものではございません。 また,議事録につきましては,高知市プロポーザル選定委員会条例や高知市プロポーザル方式契約事務の手引において作成の規定がないことなどから,作成はしておりませんでしたが,第1回の新図書館西敷地利活用事業プロポーザル選定委員会では,委員長及び副委員長の選出に続いて,議事として募集要領,審査要領,審査基準及び評価点表について事務局から説明し,文言等についての質疑があり,募集要領等に反映をいたしました。 今回御指摘をいただいたことや,当事業の重要性に鑑み,第1回の選定委員会の内容につきましては,先ほど申し上げましたことをまとめたものを作成し,次回からは議事録を作成することといたします。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 議事録は作成するのですね。 南国市のいじめ自殺事件の問題で第三者調査委員会の報告書に議事録がなかったということがあって,文科省から指導されています。 その理由が,突っ込んだ意見交換ができないと。そうすると,この文書不存在の中にも,委員の率直な意見の交換が損なわれるおそれがあるということで議事録がないというふうな説明がありますが,こういうことはないということで,突っ込んだ質問も内容についてもきちんと話ができて公開できるものというふうに理解してよろしいでしょうか,商工観光部長。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 内容につきましては,プロポーザル選定が終わった後には公開となります。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 50年先まで続けようとする契約の審議過程を文書で残さないということをまずやろうとしたことに非常に憤りを感じます。 情報公開の重要性,近代民主主義社会において,まるで封建時代の支配者のようなおごりに愕然としました。歴史を鑑みない,未来に対して何と無責任な姿勢であるかと,その傲慢さに怒りを覚えます。 タブロイド判朝日新聞グローブに,記録の力という特集記事があります。 記者が冒頭にこうつづっています。ことしに入り,記録をめぐる政治家や官僚の振る舞いが注目を集めた。加計学園の学部新設問題では,省庁の内部文書が当初怪文書呼ばわりされ,陸上自衛隊の南スーダン日報には隠蔽疑惑が持ち上がった。示された文書が,記憶にないの一言で片づけられた場面があった。記録ってそんなに軽いものだっただろうか。記録を残して公開することは民主主義にとって大切なことではなかったか。 日本で初めて公文書管理法制定に取り組んだ福田康夫元首相のインタビューがあります。 民主主義というのは,国民が正確な情報を得られなければ成り立たない。正しい判断ができないからだ。歴史上のことは時間がたつとわからなくなってしまい,いろんな見方が出てくる。 でも,公文書館に行って,史実はこれなのだということがはっきりすれば,拡大解釈などは起きにくくなる。 そうした事実の集積がなければ,100年後日本は一体何だったのかとなりかねない。最後に,行政が記録をきちんと残しておくようになれば,将来の人を楽にできると述べています。 50年先,高知市は何だったのだろうということがなければいいと思いますが,選定委員会の議事録不在,つくると言いましたが,民主主義の否定そのものであると思いますが,市長,どう考えますか。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 最終的には,最終の一番得点の高い事業者が決定しましたら議会にお示しをいたします。 当然,審議の過程,どこまで細かい部分が出せれるのかというのはありますけれども,審議の過程が後からわかるようにという意味で,議事録は作成をしていく必要があるということを考えております。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 後からわかっても遅いことがあるのです。 ちょうど10年前になります。平成16年6月議会,私の質問ですが,弘化台,市場の特定業者問題についての質問内容が事前に流出しました。 そして,庁外の特定業者が知ることとなり,質問の前日,直接電話がかかってくるという事件がありました。 翌朝,市政の担当記者から,岡田さん,生きちゅうと,冗談ともとれない電話がありました。また,別の報道関係者から,大丈夫なのかと緊迫した声で安否を気遣う電話がありました。 情報機関ではそのようにとられている人物であったことから,幹部職員の情報漏えいそのものが質問当事者を危険にさらしたにひとしいものと考えます。 市長に,情報漏えい者の特定を求めましたが,わからないとの答えであります。当時,この特定業者と私食をともにする幹部職員数人の姿が複数の市職員に目撃されています。 このころから,私は─────────────────と思っています。 審議委員,審議内容を公開しないことが不正を働く者にとって好都合であります。職員は情報を知り得る立場にあります。秘密にすればするほど担当職員は疑惑にさらされる懸念があるのです。 働きかけがあったらそれは公表し,是正すれば済む話であります。委員の非公開という市幹部だけが知っており,それこそ癒着やゆがみの印象ではありませんか。 日本全国,行政幹部がかかわった不正はあまたあります。市の非公表の理由には一片の道理もありません。ましてや,利益追求という企業とのかかわりです。 どのような言いわけをしても,ブラックボックスの審議,外から見ればやりたい放題の何でもありではないかと疑惑を持たざるを得ません。まず,審議状況も傍聴を認めるべきです。 氏原議員も今議会質問の中で,変なうわさが聞こえてくると発言をされています。私にも複数の方から同一の特定業者の名前が聞こえています。 変なうわさに乗って,私の手元にある会社の謄本のコピーが舞い込んできました。役員を削除した痕跡が見えます。どの企業が採用されても,このうわさとの関係が取り沙汰されて,疑惑の芽は選定委員にも向けられます。非公開であるだけに,彼らに迷惑をかけることになります。 プロポーザルについて全てを公表することが市民参加の根幹であります。それができない不都合な真実があるのではないか,市長にお聞きします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) プロポーザルにつきましては,いわゆるその事業選定にかかわります選定の委員会でございますので,段々申し上げましたとおり,外部からの圧力や干渉等の影響を受けることなどにより選定の円滑な遂行に影響を及ぼすおそれがあるということもありまして,非公表と,そして非公開とさせていただいております。 これは附属機関の会議等の公開に関する要綱の規定に基づいているところでもございます。 今後,事業提案の中から,選定委員会において公平公正に審査をいただきまして,選定された最も評価の高い事業提案について,高知市プロポーザル方式の契約事務の手引にはございませんけれども,事業実施の予定者の業務の概要,契約期間,契約金額,総得点,またその他の事業応募者から提案された導入の機能,総得点を議会に御報告をし,御意見も賜った上で基本協定を締結してまいりたいと思っておりますので,不都合な事実というふうな指摘の事項はございません。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 私は外部の圧力を言っていないですよ。情報を知り得る立場にある市の幹部の中にあるのではないかと。これをどうやってあなた方,ないといって証明するのですか。 現実的に市場問題であったでしょう,情報漏えいが。しかも,それがわからない,特定できない,この事実ですよ。幹部職員が業者と癒着している。こんなことがあったわけでしょう。癒着していないという,関連がないという事実をあなた方はまず市民に証明しないといけないのですよ。 疑いがかけられているのはあなた方ですよ。おかしいじゃないですか。どう市の職員と業者とのつながりがないと証明できますか。 審議過程を公表にし,プロポーザルも全部公表して,見せていくことによってはっきりすることでしょう。しかも,審議委員の名前がわからない。接触できるのは知っている幹部職員あなた方だけではないですか。外部からの圧力ではないのですよ,疑っているのは。疑念を持たれているのはあなた方です。 市長はこれを払拭する責任があるのですよ。この疑惑がある以上,あなたが進めること自体おかしいですよ。何よりも利活用委員会全体として提案した事業用定期借地権を勝手に一般用に書きかえた。都市計画マスタープランと同じではないですか。そこで出てきたのは道の駅でしょう。業者とのうわさがされているのですよ。 迷惑をこうむるのは担当職員です。市長は全部外部の委員に任せた,結果を出すのは彼らです。全てあなたは責任逃れするつもりですか。あなたが責任を持たないかんがですよ。 まず,議事録なし,これ事実としてしていないわけですから。プロポーザル選定委員会,非公開は民主主義に照らしても明らかに手続上の瑕疵があると私は考えますが,手続上の瑕疵について,市長どう考えますか。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今回のプロポーザルにつきましては,高知市のプロポーザル方式の契約事務の手引や行政情報公開条例など,定められた手続に沿って行っておりますので,手続上瑕疵があるということは考えておりませんので,撤回とかそういうことは考えておりません。 ○議長(高木妙君) 岡田泰司議員。 ◆(岡田泰司君) 瑕疵があったということで撤回をするという,私は逃げ道を構えたつもりでしたけれども,あくまでも認めないと。立ちどまる市長の勇気ある意思を確認したわけですけれども,それでも認めない。本当に残念です。 疑われるのは職員の皆さんです。トップであるあなたはそれをかばわないかんですよ。それがないようにせないかんですよ。あなたの責任です。 しかし,それだけ差し迫っているのでしょうか。市長の任期との関係も取り沙汰されます。私は,民主主義をわきまえない,こんな方には即刻やめていただきたいと考えます。 プロファイルをしてみました。どこがやるのか,聞こえてくる企業の名前は,陽動作戦かもしれません。変なうわさの企業のお仕事,その役割は,このプロジェクトを行政に実行させることです。それによってこの変なうわさの企業はビジネスが達成できます。 追手前小学校跡地西敷地利活用の目的は,市の一等地を定期借地権で民間に貸し出すこと。プロポーザル選定委員会もわずか開催が,たしか2回だったと思いますが,それで採用を決めることになっていくことも納得できます。なぜ急ぐのか,なぜブラックボックスなのか,納得できます。 プロポーザル実行で企業応募させてしまえば成功です。中止となれば企業は莫大な損害賠償の請求ができるのです。行政との関係を取り沙汰されないように役員を削除したのかもしれません。うわさの真相が週刊誌に踊らせないことを願うものです。 市長には早急にプロポーザル公募の撤回を求めておきます。 ここで9月6日高知新聞,たった一人の反乱,前川喜平さんに聞く,特集記事があります。少し紹介します。 決断の背景には深い後悔があった。前文部科学事務次官の前川喜平さん62歳は,真実を語ること,それが本当の意味で国民に奉仕してこなかった公務員の務めだと思ったと語る。 学校法人加計学園の獣医学部新設計画に絡み,総理の御意向などと書かれた文書について,あったものをなかったことにはできないと表現し,事態を大きく揺さぶった。だが,政権を追い込むのが目的だったわけではない。 たった一人での反乱に至る思いを聞くと,官僚としての苦悩,個人の尊厳を守るための闘いの軌跡が見えてくる。 真の上司は国民の見出しがあります。現役時代の座右の銘は,面従腹背,上辺だけ上の者に従うふりをしているが,内心は従わないことです。 教育基本法改正や道徳の教科はやりたくない仕事だったが,裁量の範囲内で信念に沿った仕事をしようとした。真の上司は国民だということを忘れてはならないと思った。だが,振りかえると,果たせなかった課題ばかりが浮かぶ。加計学園の問題にしてももっと抵抗できたのではないか,じくじたる思いがある。 西敷地の問題は,加計学園と似た要素を含んでいます。 職員の皆さん,真の上司は市民であることを忘れず,市職員としての尊厳を守るために頑張ってください。市役所にも前川喜平さんのように信念と勇気を持った職員がいることを信じて,私たちも市民の未来のために頑張ってまいります。 最後に,西敷地には仙台屋桜があります。プロポーザルでもこれを残すことが条件になっています。しかし,マンションが建てば広場は庭になってしまいます。市民の嘆きの庭になってしまうのではないでしょうか。 仙台屋,嘆きの庭に散りぬれば,さもしき政の悲しき。 終わります。 ○議長(高木妙君) この際暫時休憩いたします。  午前11時55分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(平田文彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 竹内千賀子議員。  〔竹内千賀子君登壇〕 ◆(竹内千賀子君) 市民クラブの竹内千賀子でございます。 ことしで戦後72年を迎えましたが,午前中の下本議員の質問にもございましたように,北朝鮮によるミサイル発射や核実験などをめぐって緊張状態が続いています。 私は先日,戦争を体験された方の講演を聞く機会がございました。講演の最後に,今は戦後か戦前かと聞かれれば,戦前だと思う。どうかいつまでも戦後であってほしいと締めくくられたことが,今,思い起こされます。 広報あかるいまちの9月号の人権シリーズのページで春野西小学校6年生の小野山みりなさんの作文,広島に行って思うことが紹介されていました。 修学旅行で広島を訪れ,被爆者の声をしっかりと受けとめ,資料館を見学してその背景に思いをはせ,世界にはまだ戦争やテロで苦しんでいる人もたくさんいる。原爆を持ち続けている国は平和を取り戻していこうとは思わないのか。 自分の国から変えていこうとしないと世界全体は変わっていかないと思う。私は世界全体が平和になるまでずっと平和の活動にかかわっていくつもりだと,被爆者への思いと平和への決意がつづられていました。 改めて平和や人権のとうとさを次世代に引き継いでいくことは,私たちや行政の大きな責務だと思いました。 しかし,このように純粋に平和を希求する声を全く無視するような態度をとったのは日本政府です。去る7月7日,国連本部での交渉会議に加盟国193カ国中129カ国が参加し,122カ国の賛成で被爆者の悲願であった核兵器禁止条約が採択されました。 ですが,日本は交渉会議に参加していません。しかも,安倍首相は,この条約への署名,批准はしないと明言しています。 被爆国日本は,原爆を許さず,核兵器反対を戦後の平和を維持していくシンボルとしてきました。過去の政権も核廃絶を被爆国日本の声として国際会議で強調してきました。 また,その反核の思いは122カ国には響き,採択された条文の前文には,被爆者にもたらされた苦痛の一節が日本不参加の中でも入れられております。 戦後,日本の平和主義の原点であった核廃絶の交渉不参加は,これこそ安倍首相の口癖の,戦後レジームからの脱却にほかならないのではないかと,大きな疑問と怒りがわいてきます。憲法違反の安保法制や共謀罪の強行採決を重ねて考えると,まさに戦後を消し去り,戦前回帰に足から首まで突っ込んだ状況となっています。 安倍首相に対し,8月9日の長崎平和祈念式典の後,被爆者5団体の代表が,あなたはどこの国の総理ですかと皮肉を込めて批判したことも当然のことだと思います。 また,長崎市の田上市長は,平和宣言の中でこのような政府の姿勢を批判し,核保有国と非保有国の橋渡しをするというのであれば,交渉会議にさえ参加しない姿勢を被爆地は到底理解できませんと厳しく指摘しています。 そこで,岡崎市長にお伺いします。 同じ自治体の首長として,もちろん被爆地とそうでない違いはありますが,高知も大空襲によって大勢の一般市民が犠牲になりました。 日本非核宣言自治体協議会や平和首長会議にも参加され,平和,人権の取り組みを積極的に推進し,小野山みりなさんのように平和を願う子供たちが育っている高知市の市政執行者として,核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない日本政府の姿勢にどのような見解をお持ちでしょうか。 さて,昨年,平成28年12月16日,部落差別の解消の推進に関する法律が公布,施行されました。 この法律は,憲政史上初めて,部落差別という用語を用い,現在もなお部落差別が存在するとともに,情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じているとし,部落差別の存在を国が公式に認知し,基本的人権を保障する憲法の理念にのっとり,部落差別は許されないものであると規定。国や自治体に部落差別解消のための責務があると明記しています。 そして,国,自治体が連携し,部落差別に関する相談体制の充実,教育及び啓発,実態調査の実施を求めています。 この法律の施行については,近畿大学の奥田教授を初め,さまざまな方がこの法律の評価や意義,そして課題等を提起されております。それらを紹介させていただきながら,部落差別解消推進法について質問させていただきますので,誠意ある御答弁をお願いいたします。 奥田教授は,この法律の制定に当たって次のように述べられています。戦後の部落問題に関する法律の歩みは決して平たんではなかった。1947年に日本国憲法が施行されたが,約20年間,憲法の理念は部落の上を素通りした。差別行政糾弾闘争と国策樹立を求める国民運動は,1965年に同和対策審議会答申をかち取った。 しかし,答申が求めた法律,規制法,救済法,事業法は,事業法が達成されたにとどまった。 この間,1985年に部落解放基本法案が提案されたが,実現したのは法案の教育,啓発,法的部分としての人権教育・啓発推進法だけであった。人権擁護法案や人権委員会設置法案は,国会に上程されたものの,衆議院解散によりいずれも廃案になった。 細々と続いてきた地対財特法も,2002年3月末日での期限切れを迎え,33年間に及ぶ事業法時代に幕がおろされた。 こうして部落問題に焦点を当てた法律は,約15年間再び空白の時を経ることとなったのであると,戦後の法制定の経過を簡単に説明した上で,部落差別解消推進法はかつての事業法の復活ではない。部落に対する法律ではなく,部落差別のない社会を実現することを目的とした,広く社会に向けた法律である。 もちろんそれはよき日の実現に向けての一里塚にすぎないが,部落改善から社会変革へと法律のかじは大きく切られた。この法律を糧とした新たな時代の創造が問われていると結ばれています。 そして,不運とはいえ,2度にわたる衆議院解散による廃案は,関係者に大きな落胆を与えた。それだけに,部落差別解消推進法が会期延長の中で成立という薄氷を踏む思いでの実現には感慨を覚える人も多かったに違いない。 そして,それは部落解放基本法案の宣言法的部分及び教育,啓発法的部分の実現であったと,成立時の感想を述べられていますが,関係者の誰もが同様の気持ちでございました。 この法律は理念法であり,地方公共団体に対しては努力規定を果たすにとどまっています。しかし,部落差別のない社会を実現するためには,当事者の私たちの努力はもちろんのこと,国以上に地方公共団体の取り組みが重要になります。各地の実情を踏まえて柔軟に実施する必要があり,国と同様の義務規定並みの対応が求められます。 まず,部落差別解消推進法の制定を踏まえ,市長並びに教育長としての基本認識と見解をお伺いいたします。 法が施行されて早くも9カ月がたちますが,残念ながらこの法律が制定されたことの認知度は全国的に低く,いまだに特別対策事業が行われると思っている人が存在する一方,部落問題は既に解決済みと解釈している人も少なくありません。 メディアの一部はこの法律の制定を報じましたが,誰もが知っていることになるにはほど遠いと言わざるを得ません。喫緊の課題として,法律の趣旨,意義を徹底して周知することが必要です。 なぜこの法律が制定されたのか。そこに至る経過や背景,法律には何がうたわれているのかの周知と学習は,部落差別解消への啓発活動そのものであると言えます。この法律が広く知られないことには,その課題も活用する原動力も生まれてきません。 高知市はいち早くとは言えないまでも,部落差別解消推進法が制定されましたというポスターの作成,広報あかるいまち7月号に,部落差別をなくする運動強調旬間とあわせてこの法律が施行されたことを掲載しました。 ですが,今のところそこでとどまっているように思われます。せっかく作成したポスターにしても,この仮庁舎や第2庁舎にも目につくところには張られていないことから,他の公的施設にはどの程度掲示されているのだろうかと疑問を感じています。 そこで,人権担当部局だけではなく,全ての職員や教員,関係する企業,社協を初め,高知市が関与する全ての関係団体,組織等への周知の徹底をするべきだと思います。周知の取り組みについてお聞かせください。 同時に,人権研修推進員である所属長及び職員の研修についても,法の制定を踏まえた効果ある研修は必要であると思います。お考えをお聞きします。 次に,本法第2条で示された基本理念を実現し,第3条で明記されている国及び地方公共団体の責務を確実に実行するために,国は前条の基本理念にのっとり,部落差別の解消に関する施策を講ずるとあります。国はそのための基本計画,基本方針と具体的施策計画を策定しなければなりません。 また,地方公共団体は,その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとするとの規定を踏まえ,基本計画,方針と具体的施策計画の策定が必要です。 そして,第4条の部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るよう努めるものとするとの規定を踏まえ,具体的な体制の充実について,人的,財政的,制度的に確立する必要があります。 人的配置と体制整備,それに伴う財政的措置は政策遂行の基盤的条件であり,それらが実行できなければ,多くの計画は絵に描いた餅になってしまいます。 そのためにも,県や他の市町村と連携して,本法における相談体制の充実,教育及び啓発の推進,部落差別に係る実態調査などについて具体的な施策,財政的措置を講ずるよう国に対して強く要望すべきだと思いますが,市長のお考えをお示しください。 次に,部落差別に関する相談体制の重要性を踏まえ,近畿大学の北口末広教授は,大阪府が実施した実態調査で,差別を受けた後,人権擁護委員会を含む行政に対処を求めた人がわずか1.2%であること。 また,ネット上の人権侵犯事件は膨大であるにもかかわらず,統計上の件数はわずかであることなどの例を挙げ,解決,救済,支援が十分にできない法務局を初めとする行政機関には相談に行かない。それらの悪循環が連綿と続いてきた。 これらの悪循環を断ち切る相談体制の構築が求められている。多くの問題を抱えた人々が相談に行かなければ,相談事案が発生していないと誤解される。それは差別や人権侵害の現状を軽視する傾向に結びつく。 さらに,差別撤廃に向けた具体的な取り組みの必要性も軽視されることになると指摘し,専門的な知識と多くの機能を持つ信頼される実行力のある相談体制の整備が求められると訴えています。 さらには,第6条で部落差別の実態に係る調査が規定されていることに関して,施策の実施のために差別事件,意識,実態,社会システムなどの各分野について国は実態調査を早期に取り組むべきである。 そして,現場を知っている地方公共団体が国に先駆けて,これまでの調査実績を踏まえ,被差別部落の生活実態を初め,被差別部落内外の意識状況や差別事件の実態を電子空間上も含めて把握すべきである。 つまり部落差別解消推進法の目的を実現するためには,部落差別の原因に迫れる多種多様な実態調査が求められていることを忘れてはならないと述べられています。 そこで,お伺いいたします。 私は昨年9月の定例会においても,臨時国会での法案の可決,成立を切に願いながら,部落差別解消推進法に関する質問をいたしました。 市長,副市長ともに一定評価できる前向きな御答弁をいただきました。 御答弁されたように,これまでの取り組みの総括,今後の取り組むべき課題等の整理,法律の内容を踏まえた上での検討はされていると思いますが,信頼される実効性のある相談体制の整備,実態調査についてのお考えを,構想があれば構想をお示しください。 また,本法の施行により,特に人権問題解決のための第一線を担う市民会館の役割はおのずと重大になってきますが,市民会館の相談体制についてもお伺いいたします。 次に,教育及び啓発について伺います。 法第5条第2項では,国との適切な役割分担を踏まえて,その地域の実情に応じ,部落差別を解消するため必要な教育及び啓発を行うよう努めるものとすると規定されています。 2000年に人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が制定され,人権教育や人権啓発の取り組みが大きな広がりを見せました。 高知市においても,高知市人権教育・啓発推進実施計画を策定し,さまざまな取り組みを実施されておりますことに敬意を表するところです。 しかし,2002年の地対財特法の失効後は,学校教育において部落問題抜きの人権教育など,同和教育の軽視の傾向が見られることが多く指摘されています。 2015年度に行われた近畿大学生の人権意識調査(1,689名回答)によりますと,部落問題を大学に入学するまで知らなかったという学生は31.3%と,3人に1人に及んでおり,とりわけ学生の部落問題学習の経験,小中学校での学習経験が減少している傾向が明らかになっています。 学校で学習を受けたことがない。覚えていないとの回答は42.7%に達しており,2009年度調査と比較しても,小学校で受けたが39.6%から28.9%に下がり,中学校で受けたも48.2%から34.3%へ激減しています。 また,部落問題や差別があることを口に出さないでそっとしておけばよいという,寝た子を起こすな論に肯定的な人が38.6%と,2009年度調査から3倍にふえています。 これは全国的な傾向であり,したがって部落問題を知らない若い教職員が急増しています。 かつて同対審答申は,寝た子を起こすな式の考えで,同和問題はこのまま放置しておけば,社会進化に伴い,いつとはなく解消すると主張することにも同意できないと断定しましたが,そのことが再び問われています。 法第5条第2項の規定を具体化するために,学校教育における部落問題学習の現状把握や部落差別の解消を推進するための教育について論議を行い,さきにも述べましたように,教育についても具体的方針,計画を策定し,学校教育,社会教育,職場教育などの各教育分野ごとの教育内容をもって教育,啓発の推進を行うことが重要であろうと思います。 その際,法第1条の情報化の進展に伴ってという点を重く受けとめ,インターネット上の部落差別を克服する教育は喫緊の課題であることを重視しなくてはなりません。教育長のお考えをお伺いいたします。 次に,この法律が成立した背景の一つにインターネット上の差別の深刻化があります。今後実施される相談体制の充実,教育,啓発,部落差別の実態調査を具体化していく上でも,ネット上での部落差別の実態を踏まえた取り組みが重要となってきます。 昨年の9月議会でも,鳥取ループ・示現舎を名乗る宮部龍彦氏が「全国部落調査 部落地名総鑑の原典 復刻版」を公開したことに関連して質問をいたしましたが,今ネット上ではこの復刻版が公開されたことにより,部落に対するデマや偏見,部落問題についての無知,無理解による差別的情報が圧倒的な量で発信されています。 総務省は,この法律の施行を踏まえ,ことし1月5日付で電気通信事業協会を初め通信関連4団体に対し,部落差別を助長するような情報について電気通信事業者において適切な対応をとること等の周知,要請を行いました。 4団体は,この要請を受け,4団体で策定している,違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項の解説の改定を行い,ヘイトスピーチや同和問題に関する解説を加えたことを3月15日に公表しました。朗報ではございますが,法的拘束力はありません。 現在,同和地区Wiki,全国の同和地区,〇〇県の同和地区などのネット版部落地名総鑑が数多く存在し,全国5,300カ所の同和地区の地区名などを含む所在地情報が公開されており,部落,同和地区で検索するとこれらのサイトが上位に表示されます。 それらの多くは,鳥取ループ・示現舎の同和地区Wiki,部落地名総鑑復刻版のデータが使用されています。 現在,裁判所からの掲載禁止の仮処分決定により,同サイトは削除されていますが,既にコピーサイト,類似サイトが多数作成され,拡散され続けており,その影響力ははかり知れないほど大きくなっています。既に学校現場でもネット版部落地名総鑑の影響による問題が各地で起きています。 2015年に法務局,地方法務局がネット上の人権侵犯事件として処理したのは1,604件,法務局がプロバイダー等へ直接削除要請したのは214件,13.5%,うち同和問題に関する削除要請は30件。 そして,法務局へ相談しても被害者本人がプロバイダー等へ削除要請を行うのが基本であり,その方法等を法務局が援助をする。その援助が74.2%,1,191件とのことです。 法務局はあくまで人権侵害として被害者からの申告を受けたものについて援助または削除要請を実施するという対応です。個人でプロバイダーやサイト管理者等に削除要請をしても,なかなか対応してもらえない現実があります。海外サーバーだと削除対応はさらに困難になり,自力救済は不可能に近いと言わざるを得ません。 ネット上における部落差別,人権侵害は深刻な状況にあります。そして,これらの課題に対して有効な対策が行われていないことが事態をより深刻化させています。 この状態を放置しておくことは,部落差別の解消,人権問題の解決にとって大きな弊害となることから,国や地方自治体,企業,運動団体などの各組織で今後の対策を検討することを急がなければなりません。 ネット上での部落差別によって引き起こされる被害の深刻さを認識した自治体は,法成立を待つまでもなく,定期的なモニタリングや削除要請を主体的に取り組んでいます。 高知市でも担当課においてモニタリングや削除要請は行われているようですが,福山市や尼崎市,三重県,奈良県啓発連協などは特徴ある取り組みを行っているようです。こうした自治体の取り組みを参考にされるなど,効果あるモニタリングを行うべきだと思います。 また,ネットは差別を拡大しますが,同時に差別をなくしていく大きな力にもなります。正しい情報発信をしていく取り組みも重要だと考えます。 モニタリングは実態調査であり,情報発信は教育,啓発活動です。ネット対策についてのお考えをお伺いいたします。 これで1問といたします。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まず最初に,核兵器禁止条約に関する御質問にお答えを申し上げます。 我が国は,本年3月に開催されました第1回目の核兵器禁止条約の交渉会議において,核兵器保有国の理解や関与が得られないことは明らかで,残念ながら交渉会議に建設的かつ総合的に参加することは困難であると述べ,交渉への不参加を表明し,第2回の交渉会議についても参加をしておりません。 この第2回の交渉会議の最終日となる7月7日には,非核保有国の主導により核兵器禁止条約が採択されましたが,核保有国であるアメリカ,イギリス,フランスは,条約は国際安全保障の現実を全く無視しているとの共同声明を発表して,改めて非核保有国と核保有国の対立が鮮明となっております。 日本が交渉会議に参加しなかった理由について政府は,核保有国の不参加により,非核保有国との対立が一層激しくなることが国際的な核兵器の廃絶に向けてのプロセスに逆行することを危惧し,総合的に判断したというふうに申し上げております。 しかしながら,日本は世界で唯一の被爆国であり,広島,長崎での悲劇を二度と繰り返してはなりません。世界中の子供たちが安全で安心して暮らせるよう,一日も早い核廃絶に向けて,日本も加わって全世界的な論議を尽くしていただくことが一番肝要だと考えております。 次に,部落差別解消推進法の制定を踏まえて基本認識等について御質問いただきましたので,お答えを申し上げます。 段々御紹介もありましたとおり,昭和40年8月の同和対策審議会答申は,人類普遍の自由と平等に関する問題でございまして,日本国憲法によって保障された基本的人権に係る問題を未解決に放置することは断じて許されないという答申でございます。 市民的権利と自由のうち,職業選択の自由,すなわち就職の機会均等が完全に保障されないことが特に重大である。就職と教育の機会均等を完全に保障し,生活と安全,地位の向上を図ることが同和問題の解決の中心的課題であるという答申が出されておりまして,現在でもこのことは非常に意味があると考えております。 同和問題の解決は行政の責務であると,そういう基本認識には変わりはなく,平成14年特別措置法が終了しましたが,段々御指摘いただいたように,同和問題の残された課題の解決に取り組んでいくという方針のもとで,人権施策推進本部を設置しておりまして,3年ごとに同和対策関連施策の見直しを行い,それぞれの課題の解決に向けた取り組みに取り組んでいるところです。 特別措置法は,どちらかというと事業法でございまして,主に地域の住環境整備などに取り組んで,地方公共団体の財政的な支援を実施してまいりました。 今回の部落差別解消推進法は,部落差別が現存すること,部落差別は許されないものであると,こういう認識が明記をされておりまして,同和問題の残された課題である部落差別という意識に焦点を当てた法律となっています。 今回の法律制定の背景ともなりました,先ほど御紹介のありましたインターネット上の非常に悪質な差別事象については,情報化の進展に伴い急速に増大をしてきておりまして,完全に遮断することは技術的に難しい点もありまして,深刻な状況となっております。 こうした状況を踏まえ,誤った認識によってこれらのようなさまざまな情報に惑わされることのないよう,一人一人が正しい知識と認識,また行動力を持って人権尊重の社会づくりを目指していくため,この法律が制定されたものと考えております。 部落差別は許されないものであるという認識のもとで,これまでの同和問題に関する取り組みを積極的に進めてまいりましたが,部落差別のない,人権が尊重される社会を実現するために,なお一層相談体制の充実や地域の実情に応じた教育,また啓発等の具体的な施策の推進を図っていく必要があると考えております。 続きまして,県や他の市町村との連携による,国の施策等の要望に関して,この部落差別解消推進法の中で御質問いただきましたので,お答えを申し上げます。 御指摘にありましたように,部落差別解消推進法の第3条の第2項に,地方公共団体は国との適切な役割分担を踏まえて,国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ,その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものと定められています。 高知県や他の地方公共団体との連携につきましては,県内の23市町村から成ります高知県市町村じんけん行政連絡協議会というものがあります。 また,県が主催します高知県市町村人権教育・啓発担当者連絡協議会,こういう会もございますので,こういうさまざまな機会を通じまして各自治体との具体的な事象または課題についての情報交換を行っております。 高知県におきましては,国に対して本年8月に全国知事会を通じて,国の施策につきましてその内容や国と地方の役割分担の考え方,さらには工程表,スケジュール等を早急に明らかにしていただくようということを国に対して要望していると聞いております。 先ほど御指摘もありましたように,法律が整備された後,具体の政策がちょっと見えにくい状況にありますので,それを踏まえて国に対して要請したというふうに認識をしております。 高知市におきましても,県や他の市町村ともさらに連携を深め,全国市長会等を通じまして,相談体制の充実,教育及び啓発の推進,部落差別に係る実態調査等につきまして,国の施策を早期に具体化していただくように要望してまいりたいと考えております。 続きまして,関連します相談体制の整備や実態調査についてどう取り組んでいくかという御質問にお答えを申し上げます。 まず,相談体制の整備についてですが,市民会館は地域社会全体の中で福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となるコミュニティセンターとして,生活関係のさまざまな各種相談業務や人権課題の解決のための各種事業を総合的に実施してまいりました。 今後の相談体制の整備に当たりましては,長年の事業で蓄積をされました経験を踏まえて,市民会館が地域の第一線の相談窓口としての役割を果たしていかなくてはならないと考えております。 御質問の市民会館の相談体制ですが,ちょっと課題もございまして,平成22年度から13館の市民会館の中で9館が職員1名体制となっております。 こうした状況の中で,隣保館としての機能強化の方策を検討するため実施をしました朝倉の3館グループ化,朝倉の3つの館のグループ化モデル事業の結果を踏まえ,平成29年度から近隣の市民会館でグループ化を図り,職員同士の応援体制を整えることで,地域巡回による相談を実施することなど,相談機能の強化に今努めているところでございます。 同時に,地域福祉の活動や関係支援機関との連携強化,また地域の町内会を初め,住民の方々からの情報収集など,地域のネットワークの活用を進めることで,限られた人員体制を整える,補える仕組みづくりにも取り組む必要があると考えております。 相談に当たります市民会館職員につきましては,高知県隣保館連絡協議会や高知県市町村じんけん行政連絡協議会,そのほか地域福祉関連の研修にも参加できるような体制づくりを進め,相談員としての資質向上を図り,さまざまな生活相談等に対応できる体制を整えてまいりたいと考えております。 また,実態調査につきましては,今回の部落差別解消推進法の趣旨に沿った施策の検討に資するものにしていく必要があると考えております。 少しおくれぎみではございますが,現在法務省では全国の自治体に対しまして,これまでの部落問題や人権問題に関する実態調査について照会をし,集約を進め,実態調査の内容や手法について検討しているとお聞きをしております。 今後,法務省等から提示をされます具体的な方針,また調査方法等を確認しながら,国が行います実態調査にも協力をしていく必要があると考えております。 また,本市が独自に実施をしております同和問題等に関連する調査につきましては,平成30年度に同和対策関連施策の見直しを予定しておりますので,関連します統計調査や高知市人権教育・啓発推進実施計画の改定の前の年に当たります31年度に実施する人権意識調査,こういうものを予定しております。 今後国から提示されます実態調査の手法,これは国の手法ですが,手法等を踏まえまして,その活用のあり方等につきまして今後とも国,県の動向をにらみながら,それぞれ具体的に検討して取り組んでまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,副市長及び関係部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(平田文彦君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 私のほうからは,部落差別解消推進法に関しまして2点の御質問をいただきましたので,順次お答えします。 まず,法律の周知の取り組みについてでございます。 部落差別解消推進法の周知の具体的な取り組みといたしましては,7月の部落差別をなくする運動強調旬間事業のチラシへの法制定についての記載や,広報紙あかるいまちへの記事の記載,そのほか市民への周知のため,部落差別解消推進法の施行についてのポスターを作成し,市の庁舎を初め,ふれあいセンター,窓口センターなど関係施設に掲示をするとともに,学校や保育園にもお配りをしました。 また,市内26地区に設立され,約1,000人の人権啓発推進委員さんから成る地区人権啓発推進委員会におきましても,部落差別解消推進法の制度,趣旨を説明させていただきました。 今後の取り組みといたしましては,本市のホームページへの掲載を初め,他市町村の取り組みなどを参考としながら,効果的な方法を検討し,順次周知をしてまいりたいと考えております。 そのほか,昨年には,いわゆる障害者差別解消法やヘイトスピーチ解消法,そして部落差別解消推進法が施行されておりますことから,高知市の人権教育・啓発推進実施計画の取り組み内容につきましても,本年度中に一部改定をする予定でございます。 次に,人権研修推進員である所属長及び職員の研修についてでございますが,各所属の課長職にある者を人権研修推進員として,職員の人権に関する理解を深めるための人権研修を実施することとしております。 毎年職場で行う人権研修に先立ちまして実施しております人権研修推進員研修におきまして,本年度は人権行政,同和行政のこれまでの本市の取り組みや部落差別解消推進法について研修を行い,年度内に各課で行う職場人権研修において周知を図ることとしております。 平成24年度の高知県の人権に関する県民意識調査などから見ましても,基本的人権の内容を知らない方の割合がふえております。 また,平成25年度に実施しました高知市の職員人権意識調査におきましても,人権問題全般に関心が薄れているような傾向が見られておりますことから,全ての職員が高い人権意識を持ち,職員の人権に関する理解を深めていくように研修内容を十分に検討し,法の制定も踏まえた効果のある人権研修に取り組んでいかなくてはならないと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 部落差別解消推進法に関連しますネット対策についての御質問にお答えをいたします。 インターネットの急速な普及によりまして,インターネットによる人権侵害は急激に増加をしており,加害者の匿名性,情報の拡散性により,その被害は大変深刻になっております。 本市におきましては,平成17年に策定をいたしました高知市人権教育・啓発推進基本計画の中で,高知市が取り組む9つの人権課題の一つとしてインターネットによる人権問題を位置づけており,現在は高知市人権教育・啓発推進実施計画に基づいて人権教育及び啓発に取り組んでいるところでございます。 具体的な取り組みといたしましては,広報あかるいまちの人権シリーズにおきまして,インターネット情報の取り扱いに関する啓発記事を掲載するとともに,小学校高学年向けのネットマナーの啓発リーフレットを作成し配布することによりまして,差別的情報に惑わされない人権意識の向上に取り組んでおります。 また,不定期ではございますが,インターネット上に差別的な表現がないか,特定のサイトを検索し,不適切な表現を見つけた場合にはプロバイダーに削除依頼を行うなどの取り組みを行っており,その結果は毎年人権施策推進本部に報告をしております。 しかしながら,インターネット上に流れる膨大な情報の中から人権侵害に当たる表現を見つけ出し,削除依頼をしていくことには限界もありますことから,そうした対応を図りながら,インターネット利用者のモラル向上や差別的情報に接しても正しい判断ができるよう,人権意識の向上に資する教育,啓発が重要であると考えております。 こうしたことから,今後は他の自治体のネット対策についての先進的な取り組みも参考にしながら,より実効性の高い取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 部落差別解消推進法の制定を踏まえた基本認識等に関し御質問をいただきましたので,お答え申し上げます。 本法律は,6条から成る理念法でございますが,第1条の目的にございますように,部落差別が依然として存在するとの認識が改めて法で示され,また全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念に照らし,部落差別は許されないと明記されたことには大きな意義がございます。 そして,国民一人一人が部落差別の解消の必要性を理解し,みずからの課題として向き合うことで,真に部落差別のない社会の実現を目指すものであると受けとめております。 教育委員会におきましては,まずはこの法律を全ての事務局職員や教職員に周知することを目的に,昨年12月に教育委員会事務局内において本法律の成立を踏まえた合同人権研修を行いました。 また,本年3月の定例校長会におきましては,改めまして法の趣旨について事務局から解説を行っておりますが,学校教育の場においてこの法律の理念が生かされた教育活動が実現するよう,より一層の周知と具体的な取り組みが求められていると考えております。 今後におきましては,児童・生徒や保護者が同和問題を正しく理解し,差別をなくするための実践的行動力が身につけられるよう,学校教育における効果的な人権学習や研修のあり方への指導,助言を初め,同和問題への正しい理解の促進に役立つ視聴覚教材等の資料整備とその活用を進め,部落差別の解消を目指す教育の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また,インターネット上の部落差別を克服する教育の推進についてお尋ねがございました。 部落差別に関しましては,結婚や就職における差別に加え,現在インターネット上での人権侵害,悪質な差別的書き込み,他者を誹謗する情報の氾濫といった差別事象が後を絶ちません。 こうした部落差別の現象を初め,あらゆる人権問題の解消のためには,一人一人が個別の人権課題について正しく知ることが重要であることは言うまでもございません。 本市の学校教育におきましては,これまでにも社会科の歴史学習や教科書無償運動や識字学級にかかわった方たちとの出会いを通して,人権課題について深く理解させる取り組み,また友達との話し合い活動や仲間づくり等を通して人権感覚を身につけさせる取り組みなどを進めてきたところでございます。 しかしながら,平成24年度に高知県が行った人権に関する県民意識調査におきましては,同和問題を知ったのはいつかという問いに,同和問題を知らないと回答した割合が全世代で2.1%だったのに対し,20歳代では10.8%という結果でございました。 現在,急速に世代交代が進んでいる学校現場におきましても,同和問題についての十分な理解がないまま教職員として採用されることも考えられ,同和教育・人権教育で積み上げてきた成果や部落差別解消に向かうための道筋や意識を若い教職員へどう伝えていくのかが課題となっております。 教育委員会におきましては,このような課題を踏まえ,各学校で同和問題の基礎知識についての校内研修を進めることができるよう,人権教育主任や管理職を対象とした研修を行うこと,また各学校からの要請に応じて指導主事等を派遣し,出前研修を行うことなど,部落差別の解消の推進を担う教職員の資質,指導力の向上が図られるよう努めているところでございます。 そして,学校を卒業した子供たちが同和問題そのものを知らないということのないよう,学校教育の中で同和問題の歴史的な起源や経過,結婚差別やインターネット上での差別の拡散といった差別の現実について,子供たちが主体的に学ぶ力を育むとともに,さまざまな情報の中から何が本当に正しいのかを判断する力,また部落差別を積極的に解消しようとする態度を子供たちに育んでいくことが必要であると考えております。 ○副議長(平田文彦君) 竹内千賀子議員。 ◆(竹内千賀子君) それぞれお答えをありがとうございました。 今月の8日ですが,部落解放同盟高知県連がこの法律に関しての要望について行った高知県教委との話し合いで,昨年県教委が公立学校を対象に行った人権問題に関するアンケートの中で,同和問題の学習を実施したと回答した学校は約7割。 一方,これは学校やコースによって違いはありますが,同和問題の学習をしたと回答した児童・生徒は約2割弱から3割弱だったとのことが明らかにされました。 このアンケート結果を教育長はどう捉えられるでしょうか。 そして,またその前日の7日には,同じく県の担当部局との話し合いで,県はネット上の部落差別情報の掲載については,プロバイダーの業界団体が定める規定により,差別情報を発見した際には高知地方法務局に対して情報の削除要請を行っているが,海外のプロバイダーを介した極めて悪質な事案が存在すること。 また,情報も極めて大量に存在することになることなどから,十分な対応になっていないのが実情であること。それから,こうした状況を踏まえ,県ではインターネットを利用した差別表現の流布等,さまざまな人権にかかわる不当な差別,その他の人権侵害事案に対応できるよう,早急に実効性のある救済制度を確立することが必要であると考えており,その実現に向けて,全国知事会を通じて国に要望しているところですとの回答でした。 教育ではどうにもならない現実がネット上ではあります。 高知市としても,救済制度の確立についての行動を起こすべきではないかと思いますが,御答弁をお願いいたします。 ○副議長(平田文彦君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) ネット救済制度についての御質問にお答えをいたします。 インターネット上での差別的情報への対応につきましては,本市では,先ほども申し上げましたように,直接プロバイダーに削除依頼をいたしておりますが,削除するかしないかといった判断につきましてはプロバイダー各社の判断となっておりまして,また海外のプロバイダーでは削除依頼が困難な場合もございます。 現在,プロバイダー責任制限法という法がございますが,この法の趣旨は,削除するかしないかのプロバイダーの判断につきまして,インターネット情報の掲載により権利を侵害されたとする被害者と,情報を発信する権利があるとする発信者の板挟みに遭う場合を想定して,プロバイダーの損害賠償責任を制限する趣旨でありますことから,差別的情報の削除についての有効な法とはなっておりません。 こうしたことから,インターネットを利用した差別的表現等の事案に対応できる救済制度の確立につきまして,国へも要望してまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 御質問にございましたアンケート調査につきましては,昨年度の2学期に県教育委員会が県下の小学校5年生,中学校2年生,高校2年生の児童・生徒及びその保護者,学校長及び人権教育主任を対象に実施したものでありますが,その集計につきましては,現在最終段階にあるということで,まだ本市には届いておりません。 御指摘がございました同和問題学習の実施状況や学習経験に関する回答につきましては,調査対象学年や調査時期等の影響も踏まえて,県から集計結果が届き次第,丁寧に分析する必要がございます。 先ほども御答弁申し上げましたとおり,特に若年層において同和問題についての理解を深めるための学習機会が確保されているかということは大きな課題であると考えているところです。 本市の中学生が手にして学ぶ歴史と公民の社会科の教科書には,部落差別意識が依然として人々の間に存在し,これは日本国憲法の精神に全く反するものと示されるとともに,部落差別の撤廃は国や地方自治体の責務であり,国民の課題であるとも明記されております。 このことは部落差別解消推進法が規定する理念に一致するものでございます。本市の学校教育におきましては,児童・生徒が9年間の義務教育を通して発達段階に応じた適切な学習を積み重ねることにより,中学校卒業段階には同和問題について,先ほど御紹介いたしました教科書記述に沿った正しい認識を獲得できるようにしなければなりません。 教育委員会におきましては,学校現場の現状と課題を正確に把握するとともに,各学校において同和問題学習の適切な指導がなされるように,指導と助言に努めていかなければならないと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 竹内千賀子議員。 ◆(竹内千賀子君) どうもありがとうございました。これまでの取り組みに加え,法律ができたことで取り組みを早急に強化していただくようにお願いをしたいと思います。 最後に,神奈川大学法学部の金子匡良教授が述べられたことを紹介して質問を終わりたいと思います。 近年,相次いで成立した3つの解消法は,日本の法制度に新たな課題を提起した。それは差別の解消を図るために具体的に何をしていくべきかという問題である。 差別は禁止すれば解消するものではない。差別を真に解消していくためには,効果的な教育・啓発とともに,効果的な救済と結びついた相談制度を整備しなければならない。この点を真剣に検討し,果敢に実行していかなければ,解消は看板倒れに終わるであろう。 以上です。どうもありがとうございました。 ○副議長(平田文彦君) 竹村邦夫議員。  〔竹村邦夫君登壇〕 ◆(竹村邦夫君) 個人質問も残りあと2人となってまいりました。もう少しおつき合い願います。新風クラブの竹村邦夫でございます。第461回高知市議会定例会に当たり,通告に従い,市長並びに関係部長に質問をさせていただきます。 まず初めに,私のライフワークであります観光について,30年余りの観光現場での経験とその際にお客様からいただきました貴重な御意見を踏まえ,自分なりに考えている提言なども織りまぜながら質問をしてまいりますので,よろしくお願いいたします。 高知市の観光は,県,市,民間の努力により,4年間連続で400万人観光を達成いたしました。本年度は引き続き,志国高知幕末維新博を掲げるとともに,さらなるさまざまな取り組みで集客を図っております。このことは大いに評価するところです。 観光は,まちづくり,地域づくりの重要な柱であり,地域振興の基盤となり得るものだと考えております。 それは観光が本質的に異文化交流をもたらす行為であり,その地域ならではの特色を外から訪れる人々に示し,交流を図ることによって,それぞれの地域の資源や強みを再認識することができます。 また,それによって観光が光輝き,繁栄をもたらし,そこに人が集まってきます。それは旅行者から見れば,生活にゆとりと潤いを与えるとともに,地域の歴史や文化に触れ,学んでいく機会をもたらすものであり,観光を受け入れる地域にとっては,魅力ある観光づくりを通じて地域住民の誇りと生きがいの基盤を形成し,地域の活性化に寄与するものです。 そこで,私は,長浜・御畳瀬・浦戸地区の活性化を進めるに当たっては,観光を起爆剤にするべきと考えるに至りました。 なぜかというと,桂浜の再生が進んでまいりましたし,坂本龍馬記念館が新しく生まれ変わろうとしております。また,この地域にはたくさんの原石が眠っており,その原石を磨いていかなくてはいけないと思ったところです。 長浜に所在する若宮八幡宮は,市民の皆様には毎年4月初旬に行われるどろんこ祭りではよく知られていますが,ここ若宮には,戦国時代には長宗我部元親公が父である国親公に従い,本山氏の支城であった長浜城を攻略する際に,ここ若宮から初陣に臨み,勝利を上げたことから,若宮を出陣祈願の社とし,社殿を出蜻蛉式建築に改めました。 神殿をよく見ていただくと,トンボが飛び立つさまによく似ております。なお,一宮の土佐神社は,凱旋のときに用いられ,入蜻蛉式建築で,その姿はまさにトンボがおり立つさまに見えます。 この若宮の参道には,長宗我部元親のりりしい銅像もあり,5月には一族の慰霊祭に県内外から多くの方々が訪れています。 あわせて,ここ長浜には33番札所雪蹊寺があることはよく知られていると思いますが,文化財としても,鎌倉時代の名工として名高い運慶の晩年の作と伝えられる国の重要文化財である本尊薬師如来が安置されております。 また,運慶の作である脇侍の日光・月光菩薩は,さらにその子供である弟子であった湛慶作の毘沙門天と,その脇侍の吉祥天女,善膩師童子,運慶の弟子である海覚作の十二神将立像のうち10体が祭られております。 このほとんどが国の重要文化財であります。この運慶,湛慶は落語にも出てまいります。これを放っておくには余りにももったいないと思う次第です。 湛慶作毘沙門天と吉祥天女,善膩師童子は約30年前にはアメリカに貸し出され,また2016年7月,イタリア・ローマで開催された日本仏像展にも貸し出しがされております。 世界的に知られているこのことをまずは高知市民に知っていただかなくてはなりません。 その上で,運慶,湛慶を生かしていくことこそが資源の磨きに当たると考えますが,御所見を伺います。 また,ここ雪蹊寺には長宗我部信親公のお墓があります。天正14年,長宗我部信親以下土佐勢は,豊後の国,戸次川で薩摩の島津家久の大軍と対峙した際,四国勢主将,仙石秀久の無謀な作戦のため,川を渡り敵陣に攻め入る際,対岸に控える5,000人の島津軍の伏兵により,島津軍は敗走するも,土佐勢はその場に踏みとどまり戦い続け,信親は七百余人とともに22歳の若さで戦死したことはよく知られております。 今日でも大分県ではそのことが語り継がれ,盛大に祭りが行われております。その長宗我部信親公のよろいも雪蹊寺には残されております。 まだまだたくさんのお宝が眠っております。その一つが後の山本玄峰老師で,幕末紀州に生まれた老師は若かりしとき,医者より失明を宣告され,人生に絶望し,四国八十八カ所の巡礼めぐりに旅立ち,7回目の遍路の途上,雪蹊寺の門前で行き倒れとなったところを山本太玄和尚に助けられ,寺男として働き,その勤勉さを認められて入門し,修業を始め,よしとなり,雪蹊寺の住職となりました。 その後,全国を回って修業を続け,龍沢寺を初め数々のお寺を再興し,1926年からはアメリカ,イギリス,ドイツ,インドなどの諸外国を歴訪しております。帰国後に臨済宗妙心寺派の管長となっておられます。 老師は1945年の終戦に当たり,耐えがたきを耐え,忍びがたきを忍びの文言を進言し,天皇を国家の象徴と定義するように発案するなど,鈴木貫太郎首相の相談役を務めております。 その山本玄峰老師の書や数多くの遺品がここ雪蹊寺に残されています。これらはこの地域の宝であり,高知市にとどまらず,高知の歴史的な遺産であると確信した次第であります。 さきに述べたように,この地域を観光の拠点とすることを提案したいと思いますが,御所見をお願いいたします。 あわせて,市民の皆様に知っていただくために,この地域のネーミングの公募はアピール効果があると考えますが,いかがでしょうか。 このような中,本市の観光は多忙をきわめてまいりました。さまざまな企画を進めていく上で,所管課等の人材は私には不足しているように思われてなりません。本当に足りているのでしょうか。 また,山,海,浜のある桂浜公園の整備には専門的な技術者による管理も必要と考えていますが,現状ではその人材もなく,計画的な整備もされていない状況にあります。この件について御所見を伺います。 次に,教育についてお伺いいたします。 本市は,2017年から2020年までの高知市総合計画の中で,維新・創生8大エンジンと6つの環のマトリックスの中に詳細な事業計画とその達成する数値目標を掲げて取り組んでいます。 そして,教育においては,この総合計画にのっとって,高知市教育大綱のもと,本年より平成32年までの高知市教育振興基本計画を定め,具体的な教育施策を展開しております。これらの事業が実を結べばすばらしいと思います。今後のより一層のきめ細かな推進をしていただきたいと思います。 これより教育環境施策と教育内容について質問をしてまいります。 高知県は少子・高齢化が全国的に見ても早く進んでおりますことは周知のことと思います。本市は県内においては最も高齢化が低く,あくまでも県内での比較に限ってですが,少子化も緩やかであります。 しかし,本市でもその中身を詳細に見れば,人口の過疎化と一部の地域への集中化が進行しております。その状況は,平成27年の高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョンに出ておりますが,この中で,0歳から14歳までの年少人口は2040年でおおよそ10%と,現状より大幅に減少し,2060年に至っても約9%と,継続的に減少が進むと予測がされています。 人口の過疎化と集中化は,そのまま地域ごとの学校就学児童・生徒数の過疎化と集中化を意味しています。 市が出している,平成29年度高知市立学校児童生徒数・学級数を見ると,本年5月1日の段階で,特に児童数,学級数が少ない学校は,浦戸小学校,児童数26人,学級数3。久重小学校,児童数53人,学級数6。鏡小学校,児童数56人,学級数6となっています。 反対に多い学校は,児童数が700人を超える学校を上げてみると,朝倉第二小学校,児童数790人,学級数29。初月小学校,児童数758人,学級数28。秦小学校,児童数738人,学級数27。鴨田小学校,児童数732人,学級数29であり,600人,500人規模の学校が続きます。 その一方で,中学校では鏡中学校が生徒数20人,学級数が3。行川学園が生徒数22人,学級数4等々であり,最も生徒数が多いのは西部中学校で538人,学級数は20学級となっています。 国からは,平成27年1月27日付で,公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引,少子化に対応した活力ある学校づくりに向けてというものが出ております。 同書では,学校規模に関しては法令上,学校規模の基準は学級数により設定されており,小中学校ともに12学級以上18学級以下が基準とされていますが,この基準は,特別の事情があるときはこの限りではないという弾力的なものとなっている。このことに留意が必要ですと言っております。 また実際に市町村においては,国の基準とは異なる独自の基準を定める事例や,学校全体の児童・生徒数や学級の児童・生徒数を基準として定める例,小中学校では異なる基準を定める例,学校統合の適否の検討を開始するための基準を定めている事例も相当数見られます。 各市町村においては,学校規模の適正化や,それが困難である場合の小規模校の充実策等に関して,保護者や地域住民と丁寧な対話を通じて合意形成を図りつつ,地域の実態を踏まえた方針や基準を定め,具体的な検討を進めていくことが期待されますと提言されております。 こうした状況を踏まえて,本市としては適正な学校児童・生徒数はどのくらいなのか,また,そう考える根拠とともにお教え願いたいと思います。 今後の本市における長期的な児童・生徒数の推移と,それに応じて生じてくると思われる学校規模の現状と課題についてお教えください。 教育の中で,高知市における今後の学校の統廃合等に関して質問いたします。 この件に関しては,平成26年5月1日付で国が行った,学校規模の適正化及び少子化に対応した学校教育の充実策に関する実態調査によると,学校規模などの基準を独自に定めている市区町村は2割程度しかない。 また,地域特性を考慮した特別な基準を別途定めているかについては,96%が定めていないと回答しております。学校規模適正化を専門に担当する組織の設置については,設けていないが9割となっています。 このことは,本市においては長期的な学校編成あるいは校区再編成等による適正な学校規模実現のための計画はあるのか。あればお示し願います。ないのであれば,今後そういった計画作成のプランをお考えになっているのか,お聞きをいたします。 あくまでも私見ですが,共同体の機能を維持することが限界に近づきつつある集落を限界集落といいますが,私は学校規模においても多くの友人や年上の人々や年下の人々とさまざまな場面でコミュニケーションしていくことができるという学校の重要な共同体の機能がなくなりつつある,そういった意味での,限界的な学校が本市においても少子化,集中化の傾向の中から生まれてきていると思います。 今の子供たちは,無目的に自然の中で日がな一日,群れ遊ぶという経験がありません。人と接する機会が極端に少なくなってきております。家を出ても遊ぶ人がいません。大人もいません。どんどん子供たちの生活体験が少なくなってきました。 以前は小さな学校であっても,学校外には多くの青年たちもいて,異年齢の子供たちもそこにいたと思います。人と接する唯一の場所が今や学校しかなくなりつつあります。 こうした状況が進行する中にあって,学校の子供の人数の持つ意味が,その重要性が変わってきていると思っています。 限界的な学校の存続に関しては,地元住民の願いを十分に反映することが重んじられるべきであることは言うまでもありません。 人口の局地的集中化と,その一方で過疎化現象は,学校の児童・生徒数に即応してまいります。高いハードルがあることは十分承知しておりますが,子供たちの人数の平均化,学校規模の格差是正への手だてをお考えいただき,限界的な学校に子供たちを呼び戻すことができないのかと思っております。 このことは全国的な課題ともなってきております。ぜひその先駆的なパイオニアとして,本市がその全国のモデルになることを切に望む次第です。教育長のビジョンも含め,御所見をお伺いします。 次に,児童・生徒のコミュニケーションの育成という視点から,その教育内容についてお伺いします。 少子化,生活体験の希薄化の中にある子供たちのコミュニケーションの場として大きな位置を占めてきつつある学校に視野を焦点化し,その視野から教育内容を見てみることも重要であると思います。 学校は,生き生きと脈動している共同体であり,その授業の中で自分の考えや思いを交流できコミュニケーションできる,そんな授業をしていただきたく思います。 小学校の授業について,こんな話題をインターネットで知りました。小学校の算数の割り算で,余りを・・・で表現して,答えは全て正解なのに,全部バツとされ,0点の答案をもらったということが議論を呼んでいました。 私の知っている事例でも,面積を横掛ける縦で計算してバツだったという話を聞いたこともあります。面積は,縦掛ける横で計算しないといけないようです。 一事が万事こうした硬直した指導のもとで展開される授業で,子供たちに豊かな発想やアイデアが培われていくとはとても思われません。 こうした授業を改善するための授業の研究がなされているのか。このような事例は例外中の例外かもしれませんが,少なくとも,こうした事例が学校内で教員同士話題にもされずにあるということに大きな問題点が潜んでいると思われてなりません。 学校教育に造詣のある方の話では,先生方は授業の研修に多くの時間を持ち努力をされているようです。 しかしながら,その研修内容はどちらかというと,先生方の教え方のほうが主な内容となっているもので,もっと子供たち側の学び方についても研修していく必要があるのではないか。 もっと先生方の研修が,どのように教えるかよりも,子供たちが授業の中でかかわり合いながら,どのように学んだかをめぐって協議していくことが必要ではないかということでした。 こうしたことこそが教職員の中で話題にされていく学校文化が今後ますます必要とされるということでした。 こうした授業の中に,ディスカッション等,お互いのコミュニケーションを大事にした授業を実践している学校はあるのか。あれば,その内容をお教え願います。 あわせて,その成果を広げる取り組みはできているのか,お伺いいたします。 次に,都市農業推進についてお伺いします。 近年,都市農業の確立を目指す動きが全国各地で急速に高まりつつあります。都市農業は,新鮮な農産物の供給という生産面での重要な役割はもちろんのこと,身近な農業体験の場の提供や,災害に備えたオープンスペースの確保といった多様な役割を果たしています。 特に東日本大震災以降,全国的に防災意識の高まりにより,都市農地に期待をされる防災効果に対しましても一層注目していく必要があると考えます。 また,食料・農業・農村基本法では,国は,都市及びその周辺における農業について,消費地に近い特性を生かし,都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるものとすると規定をしており,都市農業の確立を掲げております。 6月議会の大久保議員の質問に対しまして,第12次高知市農業基本計画では,分散,点在した農地でも収益性の高い営農が行える施設の整備や新技術の導入とともに,経営の高度化,収益性の向上,地産地消,地産外商等の活動への支援を積極的に行い,都市農業の振興に努めるとの答弁がありました。 今後,都市農業推進に向けては,さまざまな課題があると思いますが,市街化区域内の農地を所有している方々がどのような意向をお持ちなのか,また,どのような施策を検討しているのか,農林水産部長にお伺いします。 次に,都市農業の担い手が,新たにハウス園芸に取り組む新規就農者や現状のハウス規模を拡大するなどの農業者を対象としました園芸用ハウス整備事業を市街化区域内に隣接する市街化調整区域で事業採択を受けたところ,現状の耕作地をかさ上げする必要が生じましたが,農林水産部では,この制度において審査する内容は園芸ハウス建設であって,造成行為の審査基準がないとのことから,造成行為については都市建設部所管の土地保全条例での申請手続を新たに要することとなり,多くの経費と時間を農業者が負担することとなりました。 これらのことは通常にとり行われる仕事の手順とは思いますが,この事業の趣旨は,農業者の初期投資の軽減や農業経営の安定を図ることを目的としており,今後担い手の育成とともに都市農業の推進の観点からも,農業者の負担軽減の視点が問われているように思うところです。 今後,法令遵守はもちろんのことですが,園芸用ハウス整備事業のように,都市農業の推進が担保された案件については,農業者の負担軽減に取り組むことが必要と考えています。 そこで,他都市での事例も参考にしていただき,農林水産部と都市建設部の連携も視野に入れて,ワンストップサービスの観点からも,農林水産部で完結する方法を模索していくことはできないものか,農林水産部長にお伺いいたします。 以上で,私の1問といたします。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきまして,私のほうから観光関連の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 長浜・御畳瀬・浦戸地域の観光の拠点ということでお答え申し上げますが,段々貴重なそれぞれ社会資源があるという御紹介をいただきました。 高知市の南部地域は,長宗我部元親公が浦戸城に在城の期間,1591年から1600年の間ですが,土佐の政治の中心地となり,風光明媚な浦戸湾,また水軍との交易の基地でありました浦戸の港や雪蹊寺,若宮八幡宮を含みますこの地域一帯は,当時,土佐の鎌倉というふうに呼ばれていたと言われており,この地域には数々の史跡が残されております。 地域内にある桂浜公園では,現在桂浜公園の整備の基本構想や,同基本計画においてその整備目標の一つに地域との連携,地域の活性化につながる公園づくりを目指すということにしておりまして,浦戸地域や周辺地域との連携を図り,地域の歴史,また町のたたずまいに触れる環境を創出し,桂浜公園とのネットワークを築いていこうということにしております。 長宗我部元親公,また信親公は,非常にブームでありまして,大分で全国都市問題会議があったときに,質問議員さんと同じときに出席をさせていただきまして,戸次川,現在大野川と呼ばれていますが,長宗我部信親公の墓前に2人でお参りをしたことがございましたけれども,当時,そのときも地域の皆様方が出ておいでになられまして,非常にきれいに顕彰されていることに逆に驚いたところでもございます。 また,最近ゲームのブームで,長宗我部公のブームが非常に広がってきておりますので,そういう意味でさまざまな資源があると考えております。 今後は,まち歩き土佐っ歩のコースの拡大や,これまで観光資源としてのPRが十分ではございませんでした,先ほど御紹介いただきました貴重な運慶,湛慶作の仏像などの重要文化財の紹介,また桂浜公園の中で,桂浜の貴重な自然と歴史資源を生かした形で,相乗効果が高くなるように桂浜公園の整備を行いたいと考えております。 地域ならではの商品の提供とあわせまして,桂浜の龍馬,そして若宮八幡を中心とします長宗我部,こういう全国的にも知名度が高いコースで,非常にいい観光コースがつくれるのではないかとも考えております。 また地元のほうも,長浜,御畳瀬,浦戸の活性化協議会が立ち上がりましたので,地元の御提言を積極的に受けながら,観光拠点の取り組みということを進めてまいりたいと考えております。 続きまして,観光関連の人材配置について御質問をいただきました。 観光部門の職員につきましては,高知市と同規模の主要都市と観光部署の職員についての比較をしてみますと,それぞれ所管する観光施設の大きさがちょっと異なりますので,単純比較はできませんけれども,限られた人数の中で,高知市観光振興計画の基本理念であります,龍馬とよさこいとおもてなしあふれる観光交流都市高知がテーマでありますので,限られた人数で非常に頑張っていただいていると思っております。 平成30年の年間観光入り込み客数317万人以上というものを目指しておりますので,高知県全体の400万人観光に加えまして,高知市の観光振興ということも非常にアピールしていかなければなりませんので,30年の年間観光入り込み数317万人以上というものが目標になっております。 桂浜公園につきましては,昭和50年代に行われましたハード整備から既に30年余りが経過し,多様化する観光客のニーズに対応できていない状況が見られるようになっているので,エントランスエリアの各施設のリニューアルなど,新たな魅力向上に向けて再整備に取り組んでおります。 また公園の一部につきましては,樹木の根上がり,また樹木が非常に伸びてきて景観が見えないとか,さまざまな課題が出てきております。 また,坂本龍馬像があります龍馬台地は,のり面が風化によりまして崩落が一部見られるとかということも課題となっております。 今後,公園の計画的な整備,また観光客や市民の憩いの場としての空間整備をしていくためにも,土木,造園に詳しい専門的な技術者のアドバイス等も必要となってまいりますので,庁内関係部局との調整を行いながら,技術的なアドバイスができるような職員の体制の強化ということも今後検討していかなければならないと考えております。 その他の御質問に関しましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(平田文彦君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 観光に関する御質問のうち,雪蹊寺に祭られている運慶と長男湛慶作の仏像の活用についてお答えします。 四国八十八カ所第33番札所の雪蹊寺は,弘法大師の開基と伝えられる古寺名刹で,国内だけでなく,近年は海外からの方もよくお見かけし,お遍路さんを初め多くの参拝の人々が訪れています。 運慶と湛慶は,平安時代末期から鎌倉時代初期に活動し,国宝や重要文化財に指定された作品を多く残した日本でも最も著名な仏師とも言われており,ただいま御紹介いただきました雪蹊寺の霊宝殿に安置されている運慶晩年の作と伝えられている本尊薬師如来像を初め,日光・月光菩薩像など,国の重要文化財に指定された16体の仏像等を1度だけ拝見いたしました。 これらの大変貴重な仏像等は,海外の展示会にも貸し出されたと伺っていますが,地元の高知市民では知らない方が多いのではないかと考えております。 高知市ではこれまで,雪蹊寺については四国霊場の札所としてや,まち歩き土佐っ歩のコースの中での御紹介にとどまっていましたので,お寺の方とも御相談し,御協力がいただけるようでございましたら,運慶らの制作した仏像を本市の貴重な歴史資源として積極的にPRするとともに,桂浜公園や浦戸地域のさまざまな史跡などの観光資源を結ぶネットワークづくりにも取り組んでまいります。 ○副議長(平田文彦君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 長浜・御畳瀬・浦戸地区のネーミングの公募についての御質問をいただきました。 エリアに愛称をつけることは,これまでなれ親しんだ地域の名称以外に新たな名称が加わることになりますので,地域にお住まいの方々の御理解が必要になります。 一方,愛称を公募することで,市民の皆様にとって誇らしく親しみやすいエリアになるとともに,日本全国から注目されるエリアという話題性の効果も期待できると思いますので,今後研究してまいります。 ○副議長(平田文彦君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 本市における都市農業振興に関する施策についての御質問にお答えいたします。 本市の市街化区域内に農地を所有されている農業者の皆様からは,固定資産税や農業経営の継承に伴う相続税など,所有されている農地に関する税負担の軽減についての御意見をよくお聞きしており,農業委員会が実施されている移動農業委員会や農業施策等に関する建議や意見書でも御要望をいただいているところです。 この税負担の軽減につきましては,平成27年に施行されました都市農業振興基本法の基本的施策であります税制改正などの直接的な対策を求めるほか,本市としましても農業施設や農業経営の高度化や生産体制の強化など,農業収入をふやす間接的な対策によりまして,農家所得の向上を目指す施策の展開が重要であると考えます。 このため,本市では第12次高知市農業基本計画において,市街化区域の農業振興策としまして,軟弱野菜を中心とする施設野菜や,切り花や鉢物等の花卉栽培について,高品質で安定した生産のための営農モデルの実現に向け,関係機関と連携してさまざまな提案や支援を行っております。 例えば少ない耕作面積においても年間を通じて栽培が可能で,かつ安定した収入が見込まれる軟弱野菜等を栽培するための園芸ハウス施設の建設に対する支援を行っており,さらに本年度からはハウス内の温度,湿度,日照や二酸化炭素濃度等を作物にとってよりよい生育環境へと調整をする環境制御機器の導入支援も行っております。 さらには,夏場の気温上昇への対策としまして,細霧,細かい霧と書きますが,この細霧冷房装置の導入も開始しており,この装置によりハウス内にミストを噴霧し,その気化熱でハウス内の温度を3度から5度程度下げることにより,夏場に高値で取引されますホウレンソウなどの栽培も可能になるものと考えております。 今後はこのような新技術の普及促進のための支援と販路の開拓や6次産業化の推進などの支援を組み合わせ,農業者の所得向上,農地の保全を図ることで,市街化区域における農業振興に努めてまいりたいと考えております。 次に,園芸用ハウス整備事業についての御質問にお答えします。 園芸用ハウス整備事業は,ハウス園芸に取り組もうとする,または拡大しようとする農業者の初期投資の軽減と農業経営の安定を図るため,JAが整備するレンタルハウスの建設に必要な経費の一部を支援する補助制度です。 今回御質問いただきました案件は,このレンタルハウスの建設に造成工事が伴うものであり,JAから本市へ提出されましたハウスの建設に係る事業計画,経営計画については,農林水産部で審査をいたしましたが,造成工事については,造成する土地の所有者であり,当該ハウスの借り主である農業者の方に別途,都市建設部における土地保全条例の手続を行っていただいたものです。 この都市建設部が所管する土地保全条例は,安全で良好な地域環境を保全するため,土地の形状の変更について必要な事項を定め,適正な土地利用を図ることを目的とするものです。 このため,現時点で全ての事務を農林水産部で完結することは困難ですが,本事業を導入し,農業経営の拡大を図ろうとする農業者の方にとりましては,一日も早い耕作の開始を希望されておられることから,今後は農林水産部が主体となって,造成工事が伴うものを含め,事業計画の策定,提出の段階から事業者の方に助言等の対応をさせていただくなど,事業者の負担軽減と,よりスムーズなレンタルハウスの整備が図られるよう,他都市の事例等も参考にしながら,御質問にありましたワンストップサービスの観点も踏まえ,どのような取り組みができるか模索をしてまいりたいと考えています。 ○副議長(平田文彦君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 教育行政に関連し御質問いただきましたので,順次お答え申し上げます。 まず,本市におけます適正な学校規模及び児童・生徒数についてお尋ねがございました。 今後の児童・生徒数の減少傾向への対応といたしましては,平成27年度に高知市立小・中学校の今後のあり方に関する検討委員会を設置し,通学区域の見直し等による学校規模の検討や教育の質的向上を図るための方策について御検討いただき,28年3月報告書としてまとめていただいております。 本検討委員会におきましては,先ほど御説明のございました,公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引をもとに協議いただいております。 報告書には,クラスがえや学級を超えた集団の編制,同学年に複数教員の配置を可能とするといった一定の教育効果を得るためには,小中学校ともに1学年2学級以上が必要であり,本市の現状からすると,小学校は12学級270名程度,中学校は6学級210名程度を本市の学校適正規模とすることが適切であるとの御見解を示していただいておりまして,教育委員会もこれを適正規模として検討を進めているところでございます。 次に,長期的な児童・生徒数の推移と学校規模の現状と課題について御質問いただきました。 先ほどの小中学校の今後のあり方に関する検討委員会報告書には,平成37年における児童・生徒数の推計もなされており,それによりますと,37年におけます小学校の推計児童数は1万4,625人で,本年5月1日現在の児童数1万6,054人と比較いたしますと1,429人の減少となります。 また,中学校の平成37年推計生徒数は,4,976人で,同じく本年5月1日現在の生徒数5,851人からは875人の減少が見込まれております。 児童・生徒の減少数だけを見ますと,大規模校と言われる学校が小学校で2校,中学校でも2校なくなるという推計数値でございますが,一方で増加傾向にあることが見込まれております学校もございまして,小学校では12校,中学校でも3校,また昨年開校いたしました義務教育学校2校におきましても増加傾向と見込んでおります。 したがいまして,児童・生徒数の減少ということがそのまま学校の統廃合につながるといった考え方ではなく,各学校,地域の特色に応じた検討が必要であると考えております。 報告書では,このことを踏まえ,平成37年推計児童・生徒数をもとに,学校の適正規模について分析をいただいております。 1つには,平成37年においても適正規模が維持できる学校が小学校26校,中学校12校あること。2つ目に,校区の見直しにより適正規模の検討は可能となる学校が小学校5校,中学校4校。それと3つ目に,校区の地理的条件等から適正規模が困難な状況があり,他の方法もあわせて検討する必要のある学校として,小学校8校,中学校1校,義務教育学校2校というふうに3つのグループに分類し,それぞれに御考察をいただいております。 学校の適正規模を維持するための課題といたしましては,大きく3つあると考えておりまして,1つには,隣接の学校も適正規模を下回り,校区の見直しができないということ。2つ目には,校区を見直すことで通学距離が広くなるということ。また,適正規模を検討すると施設の改修,増築を伴うといった課題等もあり,それぞれの地域の実態に配慮した対応が必要であると考えております。 また,適正な学校規模実現のための計画についてお尋ねがございました。 教育委員会といたしましては,学校を地域コミュニティの核として位置づけ,全ての学校を存続させることを基本として,先ほど御説明させていただきました報告書の内容をもとに計画を順次進めているところでございます。 まず,取り組むべき具体的な内容といたしまして3つの対応を考えております。1点目は,1つの小学校から単一の中学校へ進学すること。2点目は,連携型小中一貫教育の推進。3点目が,学校と教育研究機関との一体化といたしております。 1点目の1つの小学校から単一の中学校へ進学することにつきましては,現在1小学校から複数の中学校に進学する小学校が3校ございます。同一の中学校に進学することにより,児童の安心感が得られ,指導の一貫性も図られますことから,小中学校9年間を見通した教育を推進することで,教育の質的向上も図れるものと考えております。 1つの小学校から単一の中学校へ進学する場合の通学区域につきましては,現在のところ小学校は現行の通学区域を基本とし,中学校の通学区域を変更することで対応することが望ましいのではないかと考えております。 2点目の連携型小中一貫教育の推進につきましては,大津小学校,大津中学校をモデル校として指定し,平成29年度からはカリキュラム等の研究を進めた上で,30年度から小中学校で連携した教育を進めてまいりたいと考えております。 3点目の学校と教育機関との一体化につきましては,介良潮見台小学校の現在の教育環境を生かし,研究機関の機能を有する新たな学校とする構想について検討をしております。 また,報告書にございます校区の見直しにより適正規模の検討が可能となる学校につきましては,本年度学校の特色や地域におけるコミュニティーのあり方,防災上の課題など,庁内での意見調整を進めることといたしております。 このほか,適正規模に至らない学校におきましては,特認校制度の導入を初め,保育所,幼稚園等から小中学校までの15年を通した地域連携教育の推進やICTを活用した海外や遠隔地との交流授業の導入など,各学校や地域のさらなる特色を生かした取り組みを進め,児童・生徒の確保を図ってまいりたいと考えております。 本計画を進めるに当たりましては,庁内における調整作業などを経て,修正等を行いながら市議会や地域の皆様方への御説明の機会をつくってまいりたいと考えております。 次に,限界的な学校の存続についての御質問をいただきました。 現在,全ての学年において,1学級の学校,もしくは複式学級のある学校が合わせて8校ございます。この8校については,地理的条件や施設面において,今後においても隣接する学校との校区の見直しが難しい状況がございます。 教育委員会といたしましては,小規模校対策として,他の校区からも通学できる特認校制度の導入や義務教育学校の設置等の特色ある学校づくりを推進し,児童・生徒数の確保に向け取り組みを進めているところでございます。 現在,先ほど申し上げました8校におきましては,少人数によるきめ細やかな学習指導や地域と連携した自然や伝統文化などの体験学習を通じて,児童・生徒の豊かな学びにつながる魅力ある学校づくりが進められております。 特に少人数指導については,さきの全国学力・学習状況調査におきましても全国トップクラスの成果を上げた学校もあり,小規模校ならではの強みもあるものと考えております。 また,小規模校におきましては,ICTの活用環境の整備も進んでおり,海外や遠隔地との交流事業など,他者とのかかわりが少ないといった小規模校の課題を埋めるとともに,グローバル社会に対応した先進的な取り組みも期待されるところでございます。 いずれにいたしましても,さきに申し上げましたとおり,本市におきましては学校を地域コミュニティの核として位置づけ,全ての学校を存続させることを基本として考えております。 これらの学校は,保護者,地域の皆様方を初めさまざまな方々の御協力のもと,チーム学校として運営されなければならないところでございますので,地域とともにある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 最後に,コミュニケーション力育成の実践内容や成果を広げる取り組みについて御質問いただきましたので,お答え申し上げます。 本年3月31日に文部科学省から小中学校の新学習指導要領が告示されました。 その内容といたしまして,学校教育においては,子供たちが何ができるようになるかという資質,能力の育成が重要であり,そのためには何を学ぶかという学習内容に加え,どのように学ぶかという学習過程の質的改善が大切な視点として位置づけられております。 このどのように学ぶかという学習過程の質的改善のために,子供たちの学びの質や深まりを重視し,主体的,対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことが求められております。 既に各学校におきましては,子供同士がペアやグループになって意見を交換しながら対話する活動を多く取り入れております。 また,ホワイトボードや附箋に自分の考えを書き,それを互いに見せ合いながら交流して考えを深めたり,対立する2つの意見に対して自分の立場を決めて議論したりといった対話的な学びを意識した授業が進められております。 現在,探求的な授業づくりのための教育課程研究実践事業の指定校,初月小学校と愛宕中学校と土佐山学舎の3校でございますが,ここでは,調べてまとめたことを発表したり,自分の考えを伝えたりする学習活動だけでなく,それに対して質問したり話し合ったりしながら学習する活動が意図的に行われております。 子供同士が対話的に学習することで学びが深まっているといった成果も出ており,子供たちのコミュニケーション力が学習活動の中で培われていると考えております。 また,指定校の研究成果につきましては,研究発表会や公開授業などを通して成果を広く発信する取り組みも行われているところでございます。 今後におきましてもコミュニケーション力を高める取り組みを丁寧に行い,子供の学びの質を高める授業づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 竹村邦夫議員。 ◆(竹村邦夫君) それぞれ御答弁をいただきました。 教育は,私は門外と思いますけれども,情熱だけはございます。そして,きょう何を言いたかったのかというと,やはり限界的な学校,これを残していただきたい。 その中で,教育長が述べられました学校を地域コミュニケーションの核として位置づけて,全ての学校を存続させることを基本としている,このことを聞いて一安心をしました。 しかし,全てがこれで終わるわけではございませんので,教育長に汗を流していただくということは,我々地域としましても一緒に汗を流し,もちろん私も汗を流して,何とかそこの文化が残るように頑張っていきたいと思いますので,あわせてもう一度よろしくお願いを申し上げます。 それと,インターネットの,余りを,・・・で書いてバツであったという。我々の時代には,例えば答えるに当たって数学のいいところは,答えが合えば丸であって,それに至る経過の式とかは,先生方は違うことで考えてそこへ至ったときによく褒めていただいた。 今と違って,そこへ至るまでの経過について,おお,そんな考えもあるなということで褒めていただいたことを思っておりますので,柔軟な教育と遊びのある教育をぜひしていただきたいと,このように思っております。どうかよろしくお願いいたします。 次は,都市農業についてでございますけれども,これも本来私は門外でございますけれども,いろんなところで議長として行ったときに,観光ばかりではなくて農業の方々からお話を聞く機会がたくさんありました。 その中で,やはり彼らが何を思っているかということがよくわかってきました。それで,きょうこのような質問をしましたけれども,最終的には中の職員の皆さんに言いたいことが1つだけあります。 よく皆さんはこれを言っておりますけれども,職員の方々はいつも,いつもとは言いませんけれども,できない言いわけを考える天才である。 まずは,農業者の立場に立って物事を考えていただきたい。そこには全ての答えが見えてくると思います。 これは私自身がホテルマンのときに,何か問題が起こったときに必ず考えたのが,相手の立場に立つ,そうしないと問題は解決しないという経験から述べさせてもらいました。 どうか今後はこのような中から,きょうの答弁のように,ワンストップサービスというふうに,農業者の負担と,そして経費も軽減するような案をどしどし進めていただきたいと思います。 続いて,観光ですけれども,この分野は,きょうは観光について述べましたけれど,本来は地域活性化のために観光を質問してまいりました。 現在,道の駅がちょっと頓挫してしまいました。長浜・御畳瀬・浦戸地区の活性化には1の矢,2の矢をお願いしたいと思います。 1の矢は,5月5日の高知新聞に掲載されていた,道の駅構想が事実上頓挫した。高知市南部地域の今後の活性化策を住民同士で話し合う。私には,これは抜けていたと思いますけれど,ここは住民同士で話し合って,長浜・御畳瀬・浦戸地区活性化協議会が4月に発足した。そして,地元民が考案して振興策を市に提案すると書かれていました。 どうかこれから提案される振興策を1の矢とし,先ほど述べた観光策を2の矢として,市長には3の矢,4の矢,5の矢とどんどん撃っていただくことを願って,私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(平田文彦君) この際暫時休憩いたします。  午後2時48分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時0分再開 ○議長(高木妙君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 寺内憲資議員。  〔寺内憲資君登壇〕 ◆(寺内憲資君) 公明党の寺内憲資です。第461回定例会に当たり,一問一答方式により個人質問を行います。 本議会には市第113号高知市下水道条例の一部を改正する条例議案が提出されています。この議案は,現行の下水道使用料を平成30年4月1日から平均16%の値上げをしようとするものです。 値上げの理由は,これまでの議会質問で明らかになっているとおり,下水道事業経営が厳しいとの理由です。 下水道事業経営が厳しいのであれば,その改善策として考えられることは,1つ,下水道使用料を上げる。1つ,下水道に接続していない世帯を接続させ,収益を確保する。水洗化率を向上させる。1つ,経営改善を行う。一般財源から繰り入れるなどの組み合わせが考えられます。 このたびの下水道使用料の値上げには,どのような組み合わせで行われているのか,このことが重要となってきます。 市役所と民間企業の大きな違いは,自治体には経営力がないことです。仮に民間であれば,企業努力をやり切った上で料金の値上げに踏み切ります。下水道事業に求められる経営力は,下水道使用料を抑制するために水洗化率を向上させることです。 このことは下水道使用料の値上げの理由の一つとしています上下水道事業経営審議会の答申でも,収益確保のため下水道グループ接続助成金制度などを活用し,水洗化率の向上に努めるべきであるとの答申がなされています。 そこで,上下水道事業管理者に伺います。 ここに,高知市上下水道事業経営審議会の参考資料があります。この資料の中に,高知市下水道事業を中核市平均と比較した経営比較分析表があります。 この分析表を見ると,高知市下水道事業は累積欠損金比率と水洗化率が際立って低くなっています。このことから,水洗化率の中核市平均までの引き上げが求められていることがわかります。 この経営比較分析表が示す高知市の下水道水洗化率は84.1%,水洗化率の中核市平均は94.7%ですので,その差は実に10.6%の開きがあります。 仮に,現在の高知市の水洗化率を中核市平均まで上げた場合,どれほどの収益増となるのか,また何%まで引き上げれば,下水道使用料の値上げを行わずに済むのか,上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 平成28年度の実績をもとにした単純試算でございますが,本市の28年度末の水洗化率83.9%が中核市平均94.7%となりますと,年間で税抜き4億1,000万円余りの増収が見込まれます。 また,今議会に議案として提出しております下水道使用料の改定では,平成30年度からの3カ年の計画期間で,税抜きで年平均で5億3,000万円余りの増収を見込んでおりますことから,28年度の使用料と水洗化率から試算しますと,83.9%の水洗化率を97.7%程度まで引き上げる必要がございます。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) このたびの下水道使用料の平均16%値上げに対し,議会に示された上下水道局が努力する点,水洗化率向上への取り組みは,高知市上下水道事業経営戦略案で示された平成28年度の水洗化率83.9%を10年後の38年に87.4%まで向上させるとの説明のみでした。 なぜ10年後の目標値を現在の中核市平均水洗化率94.7%よりも低い87.4%に設定しているのか,上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者
    上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 経営戦略案におきましては,今回見直しを進めています高知市生活排水処理構想に基づきまして,2027年までに朝倉,鴨田,初月地区などの人口密集地域において,汚水の集中整備を実施する投資計画を策定しており,下水道使用者とともに収益をふやしていく計画となっております。 水洗化率につきましては,下水道に接続していただいている水洗化人口を下水道の処理区域内人口で割った指標でございます。 今後,10年間では水洗化率の分子,分母とも増加しますことから,処理区域拡大中は急速な水洗化率の向上は見込めず,2026年度の水洗化率の目標を87.4%に設定させていただいたものでございます。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 上下水道事業経営戦略案で示された平成38年度までの水洗化率向上に向けた収益も含めた毎年度の計画を上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 経営戦略案における収益の見込みにつきましては,計画の初年度となります平成29年度の水洗化率は84.3%で,税抜きで約32億5,000万円を見込んでおり,最終年度の2026年,平成38年度になりますけれども,水洗化率が87.4%で,使用料は税抜きで約34億4,000万円を見込んでおります。 水洗化率につきましては,処理区域の拡大とともに,団地下水道の公共下水道への編入などにより,10年間で3.1%の増加となり,下水道使用料につきましては,10年間で約1億9,000万円の増収を見込んでおります。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の答弁は,下水道の本管布設工事を行うため,パーセント単位の水洗化率では市民にわかりづらい面があります。 そこで,上下水道事業管理者に伺います。 本管工事を終えている既存分に対し,毎年下水道に接続していない世帯を何世帯接続させ,どれほどの収益を確保するつもりなのか伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 下水道工事が完了し,供用開始しております既存区域,平成28年度までの供用区域になりますけれども,毎年約500世帯の接続を目標に,税抜きで年間約1,400万円程度の増収を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 高知市下水道事業の水洗化率が上がらない大きな要因は,合併処理浄化槽が普及している地域にも,下水道の面的整備を行うからです。 先ほど提示しました経営比較分析表から,他の中核市と比較して,高知市下水道事業の水洗化率が余りにも低いことが理解できたと思います。 そこで,言いたいことは,上下水道局は下水道使用料値上げ説明に,国が示している下水道使用料の目安,月額20立方メートル当たり3,000円を使用し,この金額をベースに今回の改定率を算定しています。 それであれば,この中核市平均と高知市の水洗化率の差も下水道使用料の改定議論に含めて,改定率を検討すべきではないでしょうか。 これまでの答弁で,水洗化率の向上により下水道使用料の値上げ幅は随分抑制できることがわかります。 現在,高知市には水洗化率の向上につながる大変お得な下水道グループ接続助成金制度があります。この制度の内容を上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 御紹介いただきました下水道グループ助成金制度は,御近所同士で2人から11人のグループで下水道に接続していただくと,工事費の65%を上限に助成金を交付する制度となっております。 助成金の額は,現在のトイレがくみ取りか,または浄化槽かの処理方式によっても違いますが,グループの人数に応じて1人当たり4万円から11万円の範囲となり,グループの人数が多いほどお得な制度となっております。 また,制度の特徴としましては,従来の制度と異なり,供用開始後の年数に制限を設けておりませんので,既に整備を終えている地域の皆様にも御利用できるようなものとなっております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今,答弁があったとおり,下水道グループ接続助成金制度は,戸建ての場合,浄化槽からの改造,1人で申請した場合,2万円の助成に対し,6人でグループ申請すれば1人8万円の助成。 共同住宅の場合,浄化槽からの改造で,1人で申請した場合,5万円の助成に対し,6人でグループ申請すれば1人11万円の助成。 くみ取り式からの改造の場合,1人で申請した場合,5万円の助成に対し,6人でグループ申請すれば1人11万円の助成。 このように大変お得な助成で,水洗化率向上への強力な後押しとなる支援制度です。全国の自治体を調べましたが,このような手厚い助成金制度を行っている自治体はほとんどありませんでした。 財務部長に伺います。 この下水道グループ接続助成金の財源を伺います。 ○議長(高木妙君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 下水道グループ接続助成金に係る費用につきましては,下水道事業に対する基準内繰り出しとして,一般財源により事業費の2分の1を繰り出しております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の答弁で,国,県からの支援がない高知市独自の予算でした。 高知市が単独で行っているこの下水道グループ接続助成金制度は平成28年度から開始しています。28年度と29年度の予算及び各年度の接続実績を上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) グループ接続助成金制度の予算につきましては,今,年間2,000万円を確保しております。 初年度となります平成28年度は28グループ,131件の接続実績で,847万5,000円の助成金を交付しております。 平成29年度は,これまで12グループ,56件の申し込みをいただいておりますが,さらに多くの皆様に御利用していただけるよう,民間企業の皆様のお力もかりながら,広報に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 上下水道事業管理者,せっかく一般財源を使い,水洗化率向上につなげる全国でもまれな手厚い助成金制度を行っているにもかかわらず,接続実績が余りにも低くないですか。どのような営業活動を行っているのか,上下水道事業管理者に伺います。 ○議長(高木妙君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 下水道グループ接続助成金制度は,御近所でグループをつくっていただく必要がございます。 下水道工事前の地元説明会の際に,工事内容とあわせて助成金制度を説明し,御近所の皆様が早い段階でグループをつくっていただける,また御利用していただけるようにお願いをしております。 また,一般的には,広報すいどうやケーブルテレビなどで,助成金制度のPRを行うとともに,下水道未接続の御家庭への戸別訪問でも,早期接続のお願いとあわせまして,助成金制度の御利用をお願いしております。 そのほか,本市の排水設備工事指定業者にも助成金制度の説明を行っていただき,お客様から工事等の相談がありましたら,制度の紹介をしていただくようお願いをしておりまして,今後とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 私は,現状の仕事の仕方,営業活動では業者任せであり,期待する水洗化率の向上にはつながらないと思っています。 もっと職員が水洗化率の低い地域に出向き,下水道グループ接続助成金制度の地域説明会を開く,水洗化推進集中月間を設けて,職員が訪問指導を行うなど,現場で汗をかき,住民と触れ合う努力が必要だと思います。 そこで,市長に伺います。 これまで高知市は上下水道ともに小口利用者に配慮し,大口利用者の負担を重くした料金,使用料体系となっていました。 ところが,このたびの下水道使用料の値上げについては,1から10立方メートルの水道単価は10円から27円と,月10立方メートルの利用者は平均改定率16%をはるかに超える30%の改定率となっています。 これは高知市が続けてきた小口利用者,生活弱者への配慮方針を転換したということなのでしょうか。方針を転換していないのであれば,下水道グループ接続助成金制度等を大いに活用し,水洗化率向上につなげ,収益増を図るべきだと考えます。 したがって,下水道使用料を改定するのであれば,中核市平均の水洗化率を目指す具体的な実行計画を立てた上で改定率を算定すべきだと考えますが,市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 下水道事業につきましては,平成28年度末で,累積赤字が14億8,000万円にも膨らんできておりますので,早期の経営改善が急務となっておりまして,今回,下水道使用料の改定ということをお願いしているところでございます。 御質問の1立米から10立米までの単価につきましてですが,平成17年4月に基本水量制という,従前ありました制度を廃止して以降,小口需要者の方々の負担を抑制した経過がありますが,今般の累積赤字が非常に大きくなっているということを踏まえまして,経営の健全化を図るためには,全ての使用者の方に御負担をお願いせざるを得ないということで,この水量区分の単価改定が不可欠ということにもなっております。 下水道使用料の算定の仕方は,例えば1立米から10立米まで,そして11立米から20立米まで,それぞれの単価をずっと重ねていくという仕組みになっております。 この11立米から20立米までの単価の部分との,1立米と10立米までの単価との負担の公平性,また平成28年度に包括外部監査から御指摘を受けております最低単価と最高単価の逓増度という,度数の割合ですが,この緩和をさせるべきだということもありまして,類似都市を参考に,先ほど御指摘がありました10円から27円,改定率が30%ということになっているところでございます。 経済状況が厳しい中で,特にこの1立米から10立米のところは高齢者の方が多いと思いますので,その点申しわけないと思いますが,全ての世帯にこの分も係っていくということでお願いをしているところでございます。 また,もう一つの御質問の水洗化率の向上につきましては,上下水道局におきましても,最重要課題だと位置づけて取り組んでいるところでございます。 先ほど管理者も少し申し上げておりましたが,汚水の集中整備を2027年度まで行っておりますので,処理区域内の人口というのがふえてまいります。 分母としての人口がふえますので,10年後には,汚水整備も一定概成を迎えることができますので,水洗化率につきましては,先ほど中核市との開きが大きいということでしたけれども,中核市平均を目標とすることなども検討しながら,一層精力的に,先ほど御提言もいただきましたが,取り組んでいく必要があるものと認識をしているところでございます。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) このたびの下水道料金の値上げの理由に,国が示している下水道使用料の目安,月額20立方メートル当たり3,000円を上げています。 それであれば,中核市平均と高知市の水洗化率の差も下水道使用料の改定議論に含めて改定率を検討すべきです。 ちなみに,今回の改定により,月20立方メートル当たりの使用料を,現状の2,548円から2,894円に引き上げた場合,平成26年度下水道事業経営指標,下水道使用料の概要によると,月20立方メートル当たりの使用料の全国平均は2,730円であり,今回の改定により高知市の下水道使用料は全国平均より164円高くなります。 いずれにしても,下水道使用料の値上げは市民生活を直撃する重要な議案ですので,慎重な審議が必要であることを訴えさせていただきます。 次に,高知市生活排水処理構想の見直しについて伺います。 私は前回の6月議会において,高知市生活排水処理構想見直し案の中で,10年を超える下水道工事の見直しを求めていましたが,残念ながら10年を超える下水道工事を継続することにしています。 そこで,環境部長に伺います。 高知市生活排水処理構想の中で,下水道整備に今後20年ほどかかる区域に,三里地区の十津地域があります。従前から下水道整備は時間がかかるものとして,ある意味,待たせて当然という認識があったかもしれませんが,時代は建設から維持管理にシフトしており,この点は改めなければなりません。 そもそも供用開始まで20年もかかる計画では,その間,三里地区の十津地域の家屋から生活排水の垂れ流しが続くことになってしまいます。代替手段があるのに,せっかくここまで進めてきたのだから最後まで,今までの投資が無駄になってしまうとばかりに,既存の下水道事業計画に固執すれば,結果として,汚水垂れ流し続行を推し進めることになってしまい,それこそ水質汚濁防止法の精神に反していると言うほかありません。 三里地区の十津地域の下水道本管布設工事は,汚水処理のため高須浄化センターまで汚水管を引かなければならず,経費面でも合併処理浄化槽で整備するほうがはるかに早くて安くつきます。 この三里地区の十津地域の整備手法として,他の自治体が下水道整備に10年以上かかる区域の見直しに取り入れている手法,市町村設置型浄化槽事業の導入を検討されたのかどうか伺います。 また,導入されていない場合は,その理由も伺います。 ○議長(高木妙君) 山本環境部長。 ◎環境部長(山本正篤君) 昨年11月2日に設置した高知市生活排水処理対策協議会においては,国が示す作業マニュアルに沿って協議を行いましたので,十津地域を含め,市町村設置型浄化槽事業の導入についての検討も行っております。 まず,十津地域における公共下水道と合併処理浄化槽の経済比較では,汚水処理に係る総経費で比較した結果,下水道で整備するほうが経済的であるという結論になっております。 次に,個人設置型浄化槽と市町村設置型浄化槽について,費用負担を比較しましたところ,総額は同じでございますけれども,市町村設置型は個人設置型よりも市民の負担は少なくなっておりますが,逆にその分,市の財政負担は増大しております。 市町村設置型を整備するとした場合,そのメリットとしては,市が直接管理を行うことから,適切な維持管理が期待でき,生活排水の適正処理が期待できます。 一方,市の業務面から見ますと,条例による財政権の整理,そして費用の公私負担割合の設定,そして処理区域の告示,工事計画の作成,受益者分担金,使用料の定めやその徴収など,事務量が増大しまして,職員数の増員など体制整備が必要となってまいります。 また,これら以外でも,対象地域の住民の方の同意と費用負担が必要でございますので,その説明会などの手続に非常に時間がかかるとともに,既に個人設置型の浄化槽を設置している住民との公平性の問題もあると考えております。 以上,説明申し上げました多くの課題の整理が必要となりますので,市町村設置型を現時点で導入することは難しいと判断し,当面は,これまで本市が進めてきた個人設置型浄化槽で対応してまいりたいと考えております。 しかしながら,今後,本市公共下水道普及率がさらに上昇し,これ以上の普及が難しくなった時点においては,市町村設置型浄化槽は生活排水処理施策の推進においては有効な手段になり得ると考えますので,先進地の視察も行いながら,事業導入の際の課題を解決する方法について,調査,研究を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 環境学者からは,市町村設置型浄化槽事業が広がらない理由として,地方自治体の浄化槽に係る業務負担や担当者不足が指摘されています。 その対応策として,地方企業提案型PFI方式の積極的な推進を図るなど,官民連携が解決策として上げられています。 現にPFI方式による市町村設置型浄化槽事業が大阪府富田林市などで始められ,成果を上げています。 そこで,市長に伺います。 下水道整備に今後20年ほどかかる三里地区の十津地域については,PFI方式による市町村設置型浄化槽事業で行い,早くて安くなる整備をすべきだと考えますが,市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 市町村設置型の浄化槽事業のPFI事業としまして,民間で実施した場合,従来手法と比較して,効率的かつ効果的に浄化槽を設置するということは可能となり,有効な手段の一つだとは考えます。 一方,本市の場合,環境部長も先ほど少しお答え申し上げましたが,全体としての事業規模の試算を行った上で,設置費用,そして設置後の維持管理費の削減の効果,また収益性のある事業として採算が成り立つかどうかとかということを前提として,地元企業さんが受けるかどうかなどの課題について,十分な検討を行った上で,PFIとしての採算性が成り立つかどうかを含めて,それぞれデータを分析しながら判断していく必要があろうかと思います。 富田林市の事例等も御紹介いただきましたので,他都市の実施状況,またその後の経営状況等を調査,研究してまいりたいと考えます。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市町村設置型浄化槽事業は,公共サービスとして浄化槽事業を推進する下水道と一体となった公平感がある汚水処理サービスです。 市長の答弁であったように,今後,三里の十津地域については,安くて早くできる方法をさらに進めていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 高知市生活排水処理構想の見直しにより,長浜・御畳瀬・浦戸地区と旭地区の一部である西塚ノ原は,下水道から浄化槽区域に変更となり,これまで以上に浄化槽行政を所管する環境部の責任は重大となります。 そのような中,まだ市町村設置型浄化槽事業を導入していない高知市は,汚水処理サービスとして,行政が維持管理する公平感のある浄化槽事業を展開しておらず,設置者の住民管理となっています。 そのため,高知市の浄化槽行政の課題は,単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換が進んでいないこと,単独・合併処理浄化槽の法定検査率が県下で一番悪いことが上げられます。 そこで,環境部長に伺います。 過去3年間の単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の基数の推移,また過去3年間の単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の定期検査率と高知県下市町村での順位,過去3年間の法定検査による不適正数をお聞かせください。 ○議長(高木妙君) 山本環境部長。 ◎環境部長(山本正篤君) 浄化槽の基数の推移でありますが,単独処理浄化槽につきましては,平成26年度1万7,472基,27年度1万7,364基,28年度1万7,188基となっておりまして,3年間で284基の減少となっております。 合併処理浄化槽につきましては,平成26年度が1万3,791基,27年度が1万4,251基,28年度が1万4,607基となっており,3年間で816基の増加となっております。 次に,定期検査率でございますが,単独処理浄化槽においては,平成26年度24.3%,27年度22.39%,28年度22.6%となっております。 合併処理浄化槽は,平成26年度が53.26%,27年度が50.34%,28年度が52.31%となっております。 高知県内の順位としましては,過去3年間は34市町村中34位と低位になっております。 次に,過去3年間の法定検査における不適正数でございますが,浄化槽を設置使用開始後3カ月以降8カ月以内に行う7条検査と7条検査以降,年に1回行う11条検査がありますので,それぞれ説明させていただきます。 7条検査による不適正数の総数は105基,11条検査につきましては,単独処理浄化槽と合併処理浄化槽を合わせて851基となっております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の答弁から,高知市には相当数の無管理,無検査浄化槽があると推定されます。 管理率,検査率を100%に引き上げて合併処理浄化槽及び単独処理浄化槽を適正に維持管理することは,水環境保全の観点から必須であり,その責任は浄化槽管理者任せではなく,水質保全業務を担う高知市にあります。 そこで,環境部長に伺います。 単独・合併処理浄化槽は,各家庭が浄化槽管理者として,年3回以上の保守点検と年1回の清掃を行い,法定の水質検査を年1回受けなければなりません。 もちろんその点検や清掃の実務は専門の事業者が行うわけですが,手配に係る手間暇やメンテナンスの都度請求が発生すること自体,煩わしい,面倒だという指摘があります。ブロアに要する電気代もばかにはできません。 しかし,ここでメンテナンス回数をけちったり,ブロアの電気をオフにしたりすれば,放流水の水質低下や悪臭の発生となり,衛生状態に悪影響をもたらすことになります。 浄化槽は小容量のため,利用状況の変動によって,槽内の微生物コンディションが左右されやすいという特質もあります。適正な維持管理が欠かせません。 各家庭の浄化槽管理者がそれを怠り,十分に浄化処理されていない放流水を排出すれば,それは廃棄物の不法投棄と同じことになります。 片や,下水道は維持管理が全てお任せで足り,料金は水道の使用料とあわせて算定され,水道料金とあわせて引き落としとなっているため,利用者目線からすれば,その差は大きなことです。 個人の責任のみによって,維持管理を徹底するには,おのずと一定の限界があることを踏まえ,両者の差を埋める対策が必要となっています。 この差をなくす一括契約システムという手法が岐阜県や岡山県などで導入されています。一括契約システムとは,業界で連携して清掃,保守点検,法定検査の窓口を集約し,包括的な契約を1つ交わすだけで済む体制を構築したものです。 そのため,浄化槽利用者にとっては,その都度手配し,契約し,請求を受けて,確認して振り込みをする手間から解放されることになります。 これに自治体行政がお墨つきを与え,かつ不当な価格設定やごまかしが行われないようチェックする実務を担う枠組みをつけ加えれば,浄化槽利用者の不安感や不信感を除去でき,下水道と同様,放っておいても専門家が適正に維持管理してくれる仕組みとなります。 高知市に相当数ある無管理・無検査浄化槽を適正に維持管理するためにも,この一括契約システムを導入すべきだと考えますが,環境部長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 山本環境部長。 ◎環境部長(山本正篤君) 保守点検,清掃,法定検査の一括契約につきましては,浄化槽設置者の負担軽減や受検率の向上の有効な手段になり得ると考えております。 一方,一括契約システムは,浄化槽業界が主体となり実施していくものと考えますので,導入のためには,それにかかわる業界の連携と,それを受けるだけの業者の技術の向上や体制の構築が必要と考えます。 また,浄化槽業界が一つにまとまるということは,本市としても非常に喜ばしい状況と考えております。 このため,法定検査機関や浄化槽関係団体で構成する協議会に本市も引き続き参加し,論議をしてまいりますが,必要に応じて,これらの団体に対して,一括契約導入についての協議を促すなど,一括契約の実施に向け,働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の答弁は,一括契約システムの導入に関して,導入するとの答弁ではありませんでした。 そこで,環境部長に伺います。 このたびの高知市生活排水処理構想見直しにより,環境部はスピード感を持った合併処理浄化槽の推進と無管理・無検査浄化槽を含めた適正な維持管理体制の構築が急務となっています。 環境部長,現在環境部は浄化槽の推進に当たって,十分な浄化槽専門職員を維持できているのか。浄化槽とはこのようなものであると市民の方にきちっと説明できる体制が構築できているのか,環境部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 山本環境部長。 ◎環境部長(山本正篤君) 浄化槽の行政につきましては,環境保全課のほうで対応しておりまして,住民の皆様からの相談,そして苦情等について対応をさせていただいております。 ただ,適切な管理ができていないという現状がございますので,先ほど答弁を申し上げましたように,御提案をいただきました一括契約等については,本市は有効な手段というふうには考えておりますので,その仕組みができるよう,業界に対して働きかけも行っていきたいというふうに考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長に伺います。 私は,環境部が浄化槽専門職員を維持できておらず,浄化槽を市民の方にきちっと説明できる体制がとれておらず,浄化槽業界の専門知識,力をかりるべきだと思っています。 市長,環境部から報告を受けていると思いますが,高知市でも業界が連携して,清掃,保守点検,法定検査の窓口を集約し,包括的な契約を一つ交わすだけで済む体制を構築しようと,高知市,高知県の担当課にも声をかけ,まずは受検率の悪い高知市をモデルとして浄化槽の一括契約を構築しようとしています。 これは市町村設置型浄化槽事業を導入していない高知市にあってはうれしい話で,業界が一つになり,浄化槽行政を補う官民連携の体制づくりをしてくれているのです。 この体制づくりも,あとは行政次第です。市長,今こそトップダウンによる浄化槽の一括契約システムの構築を求めますが,市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほどの一括契約システムですが,環境部長が答弁を申し上げましたとおり,業界が主体となって動いていくものということで,我々はそれを支援していくという立場になろうかというふうに思っておりますので,なお業界団体等の御意見を主管部局のほうからも聞かさせていただいて,どういうふうな促しができるかということは考えてまいりたいと思います。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長は,トップの判断は業界との連携,組織を見て,前向きな答弁ですので,よろしくお願いいたします。 高知市生活排水処理構想の見直しにより,合併処理浄化槽区域が広がり,浄化槽行政はますます重要となっています。 そのような中,水質保全業務を担う高知市は,汚水対策職員の一元化ができておらず,民間業界の力をかりることは必要不可欠なことです。環境維新を掲げる高知市にあっては,水質保全の観点から,一日でも早い浄化槽の一括契約システムの構築を市長に提言します。 次に,我が会派の西森美和議員がこれまで議会質問している新しい地域支援事業について,私も市の取り組み,仕事の仕方を確認させていただきます。 新しい地域支援事業を整理させていただくと,本事業は,介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業,そして任意事業の3事業から構成される事業です。 3事業のうちの一つ,介護予防・日常生活支援総合事業は,移行期間を国から平成28年度までの3年間と定められていたことから,高知市は28年10月に同事業に移行しています。 高知市が移行した介護予防・日常生活支援総合事業は,要支援1,2の軽度の要介護者と介護認定を受けていない方が受けられるサービスです。 7段階ある要介護度のうち,軽度の要支援1,2の方が,これまで介護給付で受けていた訪問介護と通所介護,デイサービスを高知市が提供できるようになったことから,一部の方からは介護の切り捨てと誤解をされている事業です。 したがって,この誤解を解き,移行してよかったと言われる事業にするには,サービスを受ける要支援1,2の軽度の要介護者と要介護認定を受けていない方に,高知市としてどのようなサービスを提供するのか,満足なサービスを提供できるのか,まさに職員力,行政力が問われるところであり,行政をチェックする議会の責任も問われる重要な事業です。 特にこれまで要支援1,2の方が介護給付を受けていた訪問介護と通所介護,デイサービスを,この事業の主眼であります助け合いによる生活支援,訪問型サービスB,住民主体による支援,その流れの訪問型サービスD,移動支援,通所型サービスB,住民主体による支援により提供できるかが重要となってきます。 今後,これらのサービスBが必要数構築できれば,介護保険料の低減にもつなげることができます。 介護予防・日常生活支援総合事業の財源は,国25%,高知県・高知市12.5%,1号介護保険料22%,2号介護保険料28%となっており,介護保険料が使われていることから,介護保険者の高知市として満足なサービスを提供する責務があります。 以上の理由から,高知市は現在,介護予防・日常生活支援総合事業の主眼であります助け合いによる生活支援体制を構築する事業,生活支援体制整備事業に取り組んでいます。 生活支援体制整備事業は,さきに説明しました新しい地域支援事業の3事業の一つ,包括的支援事業の中にある事業で,財源は国39%,高知県・高知市19.5%,1号介護保険料22%となっています。 この生活支援体制整備事業は,国からコーディネーターの配置,協議体の設置等が求められていて,平成29年度が設置の最終年度であり,全国の各自治体が頑張っているところです。 この体制整備については,西森美和議員の健康福祉部長に対するこれまでの議会質問により,平成28年8月に民間企業,協同組合,ボランティア,社会福祉法人等の10団体から構成される第1層の協議体を立ち上げ,生活支援コーディネーターもNPO法人さわやか高知に委託し,28年9月より2名を配置していることが明らかになっています。 そこで,健康福祉部長に伺います。 生活支援体制整備事業の進捗状況を調査してみると,立ち上げた第1層の協議体は平成28年度に6回の会を開催していますが,体制整備の最終年度である今年度は一度も会が開かれていません。 生活支援体制整備を急がなければならない最終年度の今年度になぜ一度も会が開かれていないのか,その理由を健康福祉部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 第1層の協議体の協議は,昨年8月から6回の協議を行ってまいりました。 協議の中では,市全域の第1層の活動も必要であるが,地域によってニーズの違いもあり,より具体的に協議ができるよう,日常生活圏域として第2層を設置し,具体的な対応を検討していく必要があるとの御意見をいただきました。 特に各地域で高齢者の皆さんの身近な相談活動に対応していただいています市内17カ所の高齢者支援センター出張所の職員の皆さんからヒアリングを行った結果では,掃除などの日常的な家事へのニーズが高い地域,近くにスーパーがなく,移送や買い物のニーズが高い地域,見守りや交流へのニーズが高い地域,それぞれ地域によって高齢者の皆さんのニーズに違いがあることが明らかになっています。 そのため,市内の圏域設定をする必要があるということで,さわやか福祉財団の方のアドバイスもいただきながら,この間,御答弁しましたように,当面は各高齢者支援センターの圏域を第2層の圏域として取り組みを進めていくということを決定したところです。 今後は,この第2層の圏域の中で,協議体の議論を進めていきながら,並行して第1層の協議を進めることとしております。 生活支援体制整備事業については,全国の各市町村もその取り組みに苦慮している状況もございまして,国においては猶予期間を延長しまして,来年度,平成30年度内に第1層,第2層の圏域での協議体の設置と生活支援コーディネーターの配置を行うこととされていますので,期限内での早期の体制整備に努めてまいりたいと考えています。 御質問の第1層の協議体につきましては,本年3月に開催をした第6回協議の中で,地域の取り組み状況を踏まえながら,次期会議を開催するということを確認しておりまして,現在参加していただいている委員の皆さんに第2層の考え方などについても,事前説明を行いながら,今年度の会は10月に開催するよう準備を進めております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 協議体の設置目的は,地域課題を解決する助け合い活動をつくる場であります。この目的からすると,第1層の協議体は高知市全体を見る鳥の目の協議体であり,特に目指す高知市像を具体化し,実現に向けた取り組みが求められます。 当然,人口34万都市の高知市が第1層だけで目的を達成することはできません。そのため,国が言うところの日常生活圏域,中学校区,小学校区,行政区,自治会区等,目的を達成するための高知市にふさわしい規模,虫の目になる地域目線の協議体をつくらなければなりません。 高知市として,第2層の協議体を日常生活圏域のどこで区切るのか,第2層の協議体の仕組み,区域,中身をどういうふうにするのか,市民が集まって議論もせず,第1層の協議体も使わず,従来どおりの行政主導でつくるのであれば,形だけの仕組みとなってしまいます。 そのため,高知市は予算を組み,平成28年9月からNPO法人さわやか高知に委託し,生活支援コーディネーター2名を配置していました。 当然,平成29年度の予算にも協議体運営費と生活支援コーディネーター2名の委託費が計上されています。生活支援コーディネーターの役割は,第1層の協議体の構成員であり,調整役を担っています。 そこで,健康福祉部長に伺います。 重要な役目を担う生活支援コーディネーターの平成29年度の活動を調査したところ,今年度予算に計上されているにもかかわらず,昨年度末,平成29年3月で2名の委託を終了させていました。 健康福祉部長は議会答弁で,生活支援コーディネーターを配置したことにより,地域でそれぞれ多様な生活支援サービスを行っている団体等を訪問したことにより,関係者のネットワークづくりにも効果があったと高く評価をしていました。 高知市にふさわしい規模の第2層の協議体づくりに欠かせない生活支援コーディネーターの委託をなぜやめたのか。委託先のNPO法人さわやか高知に何か問題でもあったのでしょうか。 ちなみに,担当課はことし4月の人事異動で,係員1名のみを残し全員がかわっており,内部事情で委託をやめたのではないかと推察します。 健康福祉部長,予算が半年間未執行でもあることから,委託をやめた理由をお聞かせください。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 高知市全域を対象とします第1層の生活支援コーディネーターは,昨年8月からプロポーザル審査によって選定を行い,本年3月31日までの委託期間でNPO法人さわやか高知に委託をし,2名の生活支援コーディネーターを配置したところです。 委託業務の内容としては,生活支援コーディネートに関する業務として,地域に不足するサービスの創出や担い手の養成,社会福祉法人,NPO,ボランティア団体等との連携,協働に関する業務,日常生活支援の担い手となるボランティアなどの養成などの業務を行っていただくこととしておりました。 御質問にもありましたように,地域の団体を訪問していただくことで,関係者のネットワークづくりに効果があったものと評価はしております。 一方,生活支援コーディネーターには生活支援サービスの拡充に向けて,さまざまな地域資源やニーズの把握,課題解決に向けた取り組みなど,地域における支援体制構築の一翼を担う役割が求められているところですが,先ほどのお答えのとおり,地域によってニーズも多様でありますので,市全域を対象とする第1層のコーディネーターの役割には限界もあるのではないかと判断をしたところです。 今後は,住民生活にもっと身近な圏域である第2層の取り組みを強化し,地域特性を踏まえたニーズの把握,圏域における各種団体の活動や社会資源の把握,サービスの提供主体,地域の諸団体,介護サービス事業者との日常的な連携など,より身近な地域のネットワークの構築や連携などを進めていくために,今後,改めて第1層,第2層のコーディネーターの配置のあり方を検討した上で,配置を進めていきたいと考えておりますので,御理解を賜りますようよろしくお願いをいたします。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今,健康福祉部長,平成28年度の予算で2名を配置して,健康福祉部長も議場でも,その効果,成果を発表もしてくれました。議会のほうに報告もしてくれました。 そしたら,このさわやか高知さんに委託をした2名の方というのは,そもそもでいうたら平成28年度で切るような形だったんでしょうか。そこのあたりをもう一度,予定だったんでしょうか。私は,継続でもちろんしている分だと思っていましたが,その点をもう一度お願いいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 基本的な当初のプロポーザル審査におきましては,募集要領で3月31日ということで予定をしておりました。 今後につきましては,事業の内容をもって,継続的な配置ということも検討しておりましたけれど,先ほど答弁しましたように,第1層の役割と今後の第2層の役割を考えた際に,第2層を強化しながら,生活支援コーディネーターの配置を検討したほうがいいのではないかという現場の判断もありまして,こういった判断に至ったというところでございます。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長に伺います。 これまで質問してきました新しい地域支援事業は,いかに効率的に介護予防をし,かついかに生活支援の担い手をふやすかが問われる事業であります。 その目的のための地域の基盤づくりに欠かせない生活支援コーディネーターを正当な理由もなく,ただ行政側の都合だけでNPO法人との委託を一方的に切る。私はこんな理不尽なことがあってはならないと思っています。 委託先に落ち度がないのであれば,直ちに委託を再開すべきです。市長はこのような仕事の進め方をどのように評価しているのか伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほど答弁がありましたけれども,平成28年度の生活支援コーディネーター業務委託につきましては,本年の3月31日までという単年度の契約であったということで,高知市が一方的に契約を打ち切ったというものではなく,契約期間の満了に伴って,契約の終了を迎えたということを聞いております。 生活支援体制整備事業につきましては,地域支援事業に新たに設けられた生活支援や介護予防サービスの体制整備を図るための事業ですが,地域においてNPOやボランティア,地縁組織等の活動を支援し,取り組むことが望ましいとされております。 このため,先ほどから第1層か第2層かという議論もありますが,これまでの第1層協議体の議論も踏まえまして,住民の皆様方の日常生活圏域であります第2層のエリアの設定や,それぞれの地域での取り組みを支援する必要性があることから,一旦第1層のコーディネーターの委託の見直しを行ったと報告を受けております。 改めまして,第1層と第2層のそれぞれのコーディネーターの役割,こういう役割分担等についても整理を行いながら,地域の中で活動しておられます民間団体や市民の皆様の中から,適切な人材の確保をし,配置を進めていくことになろうかというふうに考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の市長の答弁で,第1層をつくり,第1層の実動部隊となる生活支援コーディネーター2名を平成28年度予算で組んでいましたが,今,市長が言われたのは,職員から報告を受けているのは,28年度までしかしていないという,29年度までの予算には入っていなかったと,28年度でこの2名は雇用を打ち切るということの話でした。 これについては,平成28年度決算もあるので,常任委員会のほうでもしっかりと確認はしていただきたいと思います。 私は,第1層の協議体を遠くから見届けさせていただいておりました。この第1層が重要ですので,その点から言ったときに,生活支援コーディネーターがしっかり活動している,職員ともタイアップしてやっている,これは継続的に行うものとして,平成28年度で切るような動きは全く見受けられませんでしたので,市長の今の答弁には疑問を抱きますので,その確認は常任委員会でしていただきたいと思います。 市長に確認します。 今年度,高知市は第7期介護保険事業計画を策定します。 この計画は,市民や事業者への実態調査や意向調査を行い,向こう3年間に必要とされるサービス量や提供する方法などを決めなければなりません。 生活支援コーディネーターや協議体は,この計画に位置づけられる立場にあり,これから必要となる住民主体の活動,サービスの生みの親,育ての親であります。 助け合いの仕組みの成否は住民の参加意欲に係るため,従来と同様の調査やヒアリングでは実態がつかみづらく,その重要な任務の立場から,生活支援コーディネーターや協議体の関与は重要でありました。 さらに,高知市は昨年10月に介護予防・日常生活支援総合事業に移行したことにより,今後事業の主眼であります助け合いによる生活支援,訪問型サービスB,その流れの訪問型サービスD,通所型サービスBを要支援1,2の方に提供し,介護保険料の低減につなげていかなければなりません。 そこで,介護保険者の市長に伺います。 生活支援コーディネーターは正当な理由もなくやめさせ,協議体の会議は一度も開かない。行政主導のこのような仕事の進め方で,助け合いの仕組みを盛り込んだ第7期介護保険事業計画や新しいサービスBが提供できる体制づくりができると考えているのでしょうか,市長の見解を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知市全体を対象とします第1層の協議体については,今後の,先ほどの議論になっています第2層の協議体の進め方などを含めまして,来月,10月になりますが,10月に開催し,協議を行うこととしておりまして,あわせまして第2層の日常生活圏域の協議体については,今後,高齢者支援センターの地域ケア会議を活用しながら,協議を進めるという報告を受けております。 新しい介護予防の地域支援事業は,新聞報道にもありましたが,全国的にも市町村事業として位置づけた,これらの訪問介護及び通所介護相当のサービス事業所の確保等に大変苦労している状況にあります。 本市においては,市民の皆様の自主的な運営によります,例えばですが,いきいき百歳体操の会場は市内に350カ所あるなど,地域の自主的な活動が非常に活発に行われておりまして,このことが介護予防にもつながっているということに感謝を申し上げております。 そういうボランティア活動に根差した社会資源を有効に生かしていくということも重要だと考えております。 現在,平成30年度からの第7期の高齢者保健福祉計画の策定に向けて,有識者や関係者,公募委員による計画策定推進協議会において,今議論のありました今後の生活支援サービスのあり方について,御意見をいただいているところでございますので,今後の多様な生活支援サービスのあり方の議論を深め,さらに取り組みを進めてまいります。 我が事丸ごと地域共生社会の実現というのが非常に大きなテーマになっておりますので,活発なまた御意見をいただきながら,あるべき姿というものを構築してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 介護保険制度は,地方分権の試金石と言われてきました。生活支援体制整備事業は平成29年度が移行最終年度になるため,各自治体が基盤づくりに頑張っています。 住民が主体となって行う支え合い,助け合いによる生活支援体制をどの市町村がいち早く構築するか,これが競われているところです。 その基盤づくりの協議体を設置する責任者が行政であり,協議体の中身を詰める責任者ではありません。 支え合い,助け合いによる生活支援体制をつくるには,行政と住民との関係の意識改革が必要です。行政依存意識を変えなければなりません。 私は,現状の高知市の仕事の仕方では到底多様な主体,NPO法人や民間団体,介護施設関係者,地域の社会資源の人たちが活躍できる基盤づくりはできないと思っていますので,早急に改善を求めておきます。 最後に,現在建設中の新庁舎建設工事について伺います。 新庁舎建設工事は,入札不調もあり,当初の予定より工期は大幅におくれており,もうこれ以上完成時期をおくらせることはできません。 そこで,市長に伺います。 現在行われている工事は,議会としても現場説明を受けた丸太打設液状化対策工法による液状化対策用地盤改良工事です。 この工法は,直径16センチ程度の県産材の丸太を約60センチ間隔で1万5,700本も打設する大がかりな工事です。 そのため,工期のおくれを心配しますが,このように大がかりな全国初の工法を取り入れた工事は予定どおり進んでいるのか,予定している新庁舎の完成に影響はないのか,市長に伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) さきに東京駅の移転改築がございまして,東京駅では100年前に打ち込みました青森のヒバが1万1,000本きれいに出てきましたので,非常に効果はあると考えております。 新庁舎建設工事に採用しております液状化対策工事につきましては,御質問の県産材の杉の丸太1万5,700本を活用することとしております。 これほどの大規模な施設で近代になって施工するということは,全国的にも事例がなく,関係する業界からも注目度も高いということで,何回か見学会も開催をしているところでございます。 御質問の工事の進捗状況ですが,この液状化対策の丸太ぐいの打設につきましては,既設のコンクリートぐいとの併設ということになっておりまして,コンクリートぐいを打ち込むところは,この木のくいは打ち込んでおりませんが,工事着手後に施工業者の行った工程の詳細の検討の結果を踏まえて,これらの工事を並行して実施するよう工事工程の変更を行いました。 コンクリートぐいの打設と木材の打設を並行して今行っているという状況でございます。 現時点での具体的な工事の進捗状況としては,丸太の打設は今月9日現在で1万5,700本のうち1万1,831本の打設が終わっております。 また,コンクリートの支持ぐいのほうですが,支持ぐいの工事については,211本のうち117本の打設が完了しておりまして,丸太の打設工事については,来月の20日ごろに完了し,支持ぐいの工事については,来月末ごろに完了する見込みということになっております。 その後,ことしじゅうに基礎躯体工事に取りかかりまして,年度末から来年度初めにかけまして,免震部材の設置を行った後に,その後地上部分の躯体工事に着手をするということになっております。 一定工程表の見直しを行いましたので,新庁舎建設工事の進捗については,今のところ大きな問題はなく,新しい庁舎は予定どおり平成31年6月末の完成を目指しております。 ○議長(高木妙君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長,最後に新庁舎建設工事を確認させてもらったのは,全国の地方議員間の情報では,何かと理由をつけられて庁舎建設工事がおくれるケースが発生しているようです。 高知市はこのようなことのないように,しっかり監督をし,新庁舎が予定どおり完成することを求めるために確認をとらせていただきました。ぜひよろしくお願いいたします。 以上で,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木妙君) 以上で通告による質疑並びに一般質問は終わりました。 これにて質疑並びに一般質問を終結いたします。 ただいま議題となっております市第94号議案から市第127号議案までについては,お手元に配付してあります議案付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  ────────────────  第461回高知市議会定例会議案付託表 総務委員会市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算中      第1条 歳入歳出予算の補正中       第1項       第2項中        歳入全部        歳出第2款 総務費      第2条 継続費の補正      第5条 地方債の補正市第108号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案市第120号 水槽付消防ポンプ自動車購入契約締結議案市第122号 支払督促の申立てについて市第125号 決算の認定議案中      平成28年度高知市一般会計歳入歳出決算中       歳入全部       歳出第1款 議会費         第2款 総務費         第3款 民生費中          第1項 社会福祉費中           第6目 人権同和啓発費          第4項 災害救助費         第4款 衛生費中          第1項 保健衛生費中           第3目 保健衛生施設費         第8款 土木費中          第5項 都市計画費中           第7目 住居表示費           第8目 地籍調査費         第9款 消防費         第12款 公債費         第13款 予備費 建設環境委員会市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算中      第1条 歳入歳出予算の補正中       第2項中       歳出第4款 衛生費         第8款 土木費市第97号 平成29年度高知市駐車場事業特別会計補正予算市第104号 高知市特別用途地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案市第105号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案市第107号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案市第113号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案市第116号 指定避難所配備用携帯トイレ処理セット購入契約締結議案市第123号 調停の申立てについて市第124号 平成28年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案市第125号 決算の認定議案中      平成28年度高知市一般会計歳入歳出決算中       歳出第4款 衛生費中          第1項 保健衛生費中           第4目 環境対策費           第6目 水道事業費          第3項 清掃費         第8款 土木費中          第1項 土木管理費          第2項 道路橋梁費          第3項 河川費          第5項 都市計画費(第7目住居表示費,第8目地籍調査費を除く)          第6項 住宅費         第11款 災害復旧費中          第2項 土木施設災害復旧費          第3項 衛生施設災害復旧費      平成28年度高知市駐車場事業特別会計歳入歳出決算      平成28年度高知市土地区画整理事業清算金(弥右衛門)特別会計歳入歳出決算      平成28年度高知市土地区画整理事業清算金(潮江西部)特別会計歳入歳出決算      平成28年度高知市土地区画整理事業清算金(高知駅周辺)特別会計歳入歳出決算      市第126号 決算の認定議案      市第127号 決算の認定議案 厚生委員会市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算中      第1条 歳入歳出予算の補正中       第2項中        歳出第3款 民生費      第4条 債務負担行為の補正中       変更市第99号 平成29年度高知市介護保険事業特別会計補正予算市第101号 高知市立点字図書館条例の一部を改正する条例議案市第102号 高知市障害者計画等推進協議会条例の一部を改正する条例議案市第103号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案市第125号 決算の認定議案中      平成28年度高知市一般会計歳入歳出決算中       歳出第3款 民生費中          第1項 社会福祉費(第6目人権同和啓発費を除く)           第2項 児童福祉費           第3項 生活保護費         第4款 衛生費中          第1項 保健衛生費中            第1目 保健衛生総務費            第2目 母子保健推進費            第5目 医療施設費           第2項 保健所費         第10款 教育費中           第6項 幼稚園費           第7項 社会教育費中            第7目 放課後児童対策費     平成28年度高知市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市へき地診療所事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市介護保険事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算 経済文教委員会市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算中      第1条 歳入歳出予算の補正中       第2項中        歳出第6款 農林水産業費          第7款 商工費          第10款 教育費      第3条 繰越明許費      第4条 債務負担行為の補正中       追加市第95号 平成29年度高知市卸売市場事業特別会計補正予算市第96号 平成29年度高知市収益事業特別会計補正予算市第98号 平成29年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算市第100号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案市第106号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案市第109号 高知市立市民図書館条例の一部を改正する条例議案市第110号 高知みらい科学館条例制定議案市第111号 高知市立学校給食センター条例の一部を改正する条例議案市第112号 高知市春野郷土資料館条例の一部を改正する条例議案市第114号 高知県立図書館と高知市立市民図書館の合築により整備する図書館の共通業務に係る連携協約の締結に関する議案市第115号 高知県立図書館に係る事務の受託に関する議案市第117号 学校給食用食器購入契約締結議案市第118号 学校給食用食缶類購入契約締結議案市第119号 給食配送車購入契約締結議案市第121号 (仮称)高知一宮団地の共同開発に係る団地整備業務(その2)委託契約の一部変更議案市第125号 決算の認定議案中      平成28年度高知市一般会計歳入歳出決算中       歳出第5款 労働費         第6款 農林水産業費         第7款 商工費         第8款 土木費中          第4項 港湾費         第10款 教育費中          第1項 教育総務費          第2項 小学校費          第3項 中学校費          第4項 高等学校費          第5項 特別支援学校費          第7項 社会教育費(第7目放課後児童対策費を除く)          第8項 社会体育費         第11款 災害復旧費中          第1項 農林水産施設災害復旧費     平成28年度高知市卸売市場事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市収益事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市国民宿舎運営事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市産業立地推進事業特別会計歳入歳出決算     平成28年度高知市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △請願,陳情の付託 ○議長(高木妙君) 本日までに受理した請願,陳情は,お手元に配付の請願,陳情文書表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託しましたから御報告いたします。  〔請願,陳情文書表は317ページに掲載〕  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(高木妙君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 9月25日午後1時再開いたします。 本日はこれにて散会いたします。  午後4時1分散会...